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多忙なチームが本来の価値を発揮するために大切な3つのこと

サイボウズ株式会社で人事をしています、庭屋です。
「HR Scrum Master」としてチームを良くしたいと考えている人の味方になりたいと思い発信をしています。

今回はサイボウズ式で紹介されたこちらの記事について、スクラムマスターとして関わっていたので「スクラム」的に何をどう解決したのかを3つまとめたので解説します。

1.価値の提供先とコミュニケーションをとる

記事の中でのチームは、「イベントを開催したのに社員から評価されていない」と感じていました。
ここで実際にイベントに参加した社員のインタビューを実施し、実際の声を集めました。そのことにより、チームが集中するべき業務を見つけることになりました。

ここでよりよい価値を発揮するチームになるために必要な「プロダクトフィードバック」について説明します。
ソフトウェア開発の文脈では、プロダクトフィードバックとは「顧客の声を製品開発に活かす」ことだとご理解ください。チームの活動をよりよい形にするためには、価値の提供先である顧客の実際の声を聞かなくてはいけません。上記の記事で挙げたチームの顧客は「社内のメンバー」になります。

この視点が抜けており「これやったら面白そう!」のようにテンションの上がった状態で企画から実行までやり遂げたものの、社内外の反応は薄くて肩透かしを食らった、なんて経験をした方もいるのではないでしょうか?

顧客の声を次の企画に反映させることで、より必要なものを提供出来るチームになります。当たり前のようですが、記事のチームのように忙しくて顧客の声を聞けていないというチームは是非取り入れることをおすすめします。(実際に記事内では、いままでと異なる形のイベントを開催することが顧客にとって重要だという考えに至りました)

2.視座の異なるマネージャーと情報の認識を合わせる

記事のチームは、「依頼をうけたものは仕事だから全てやらなくてはいけない」と考えチームの処理能力を超える業務に疲弊していた状況でした。
ここでチームがとった対応は「チームの処理能力とマネージャーから依頼されている業務の見積もり工数を提示する」というものでした。
※ちなみに、この対応はチームの「ふりかえり」から生まれたものです。
ふりかえりについてはこちらを参考にしてください。

これにより、手一杯になっていたチームが優先順位をつけて対応出来るようになりました。ここでは「なぜマネージャーと認識が合わない」ことが生じるのかを説明した上で今回の対応方法を解説します。

・なぜマネージャーと認識が合わないのか

マネージャーと担当者は担当している領域の幅が異なります。
(時間軸も長期で見ることが多いと思いますが、今回の記事は領域にしぼります)マネージャーは担当部門以下の複数の業務領域内での最適化をミッションに含んでいます。また各担当者の業務の詳細把握ではなく広く概要を把握しています。

コメント 2020-07-29 224857

業務範囲Aに該当する仕事を担当者に伝える担当者はそれにすべて対応できていれば良いですが、大体の場合全てに対応はできないのでどこから取り組むか、という問題が出てきます。
よく「〇〇出来たら良いよなー。ちょっと検討しといて!」という感じで業務依頼をされて大変だったという経験をしたことのある方は多いのではないでしょうか?

・担当領域が異なるメンバー間で認識を合わせるコツ

肥大化した業務に対して、記事のチームは「チームの対応可能工数をマネージャーに対して可視化する」という方法を取りました。担当領域が異なるメンバーが議論するには、可視化した情報を見て相互の考えや状況について意見交換することで認識違いがなくなりスムーズに進めることが可能です。

コメント 2020-07-27 224347

※記事内でも出てきたkintoneのグラフ
 共通認識を持てるレベルまで可視化すれば認識違いがなくなります

3.優先順位をつけて順番に解決する

最後に大切なのが「優先順位をつけて順番に解決していくこと」です。業務の優先順位をつけずに並行して実行するより、優先順位をつけて順番に解決していくほうが良いと考えている理由を図にしました。

コメント 2020-07-29 225848

コメント 2020-07-29 225738


リリース時に3つの施策が完了している上で、下の図の方が「早くリリースできた分、価値を発揮できる期間が長い」という優れた部分があるのがわかります。全部大事!で同時並行するよりも優先順位をつけて対応してみましょう。

まとめ

今回はより高い価値を提供するチームになるために3つの大切なことをまとめました。みなさんの今のチームに活かせるものがあれば幸いです。
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