小さな改善を積み重ねる

サイボウズ株式会社で人事部に所属してます、庭屋です。
「HR Scrum Master」としてチームを良くしたいと考えている人の味方になりたいと思い発信をしています。

前回は「ふりかえり」によって「改善につながるアクション」を実行することがチームにとって大切、という話をしました。
では今回どのように実行するのか、という部分についてお伝えします。

今回のポイントを以下の2点にします。
1:変化に対する抵抗を小さくする
2:実行可能なアクションにする

■1:変化に対する抵抗を小さくする
ふりかえりの大事さを知っていただいた上で、急にチームに戻って
「ふりかえりやりましょう!」と発言したらどうでしょう?
おそらく怪訝な顔をされるでしょう。
チームのメンバーには悪気があるわけではないと思いますが、
急な変化には抵抗してしまう、というのが自然の摂理です。

ではどうすればいいのか。我々の目的に立ち返ってみましょう。
「ふりかえり」をすること?違いますね。
「ふりかえり」は「改善につながるアクション」を見つけるための手法の一つです。
なので、「ふりかえり」という形にとらわれずに「改善につながるアクション」をチームで話し合うことを考えてみましょう。

例えばチームの定例会(のような場)であなたが感じているチームの問題について一つ共有してみたらどうでしょう?
そこから問題について議論をするきっかけにできるかもしれません。

■2:実行可能なアクションにする
問題について議論すると、話が広がり「どこから手を付ければよいかわからない」となりがちです。
問題の根本解決をしようとすると自然とそうなりますので落胆しないように^ ^
むしろメンバーがチームを良くすることに対して賛成してくれている状態なので喜ばしいことです。
そこから「実行可能なアクションにする」には少しコツがいるので紹介します。

2-1:スコープを小さくする
問題を話していると、一般論という名の「誰のために改善したいのか」がわからなくなるケースがあります。
そうすると具体的なアクションが考えられなくなるため、まずは「自分(もしくは自分のチーム)」に影響するところだけにスコープを絞りましょう。
そうすれば、チームメンバーのアクションで改善できる範囲に問題が限定されるかもしれません。

2-2:問題解決を先延ばしにする
こう言うと聞こえは悪いですが、議論が大きくなると普段の流れに対して大きな抵抗となってしまいます。
その時は、この件についてその場で議論するのをストップし「この問題について考えるための打ち合わせ」を設定すればいいのです。「打ち合わせを設定し参加者を確定する」というアクションがとれたので十分チームの改善に向けて前進したと言えるでしょう。

2-3:どんなに小さくてもOKとする
スコープを小さくした結果、影響範囲も小さく見込まれる効果が大きくない場合があります。
これに関しては「受け入れる」という方法をお伝えします。
チームは急には良くなりません。
このような小さな前進でも、積み重ねれば必ず成果として実感できるようになるので前進を諦めずに頑張りましょう!
次は、小さくてもOKとする代わりに継続的にアクションがとれるような方法を考えましょう。

■それでも「改善につながるアクション」が決まらなかった場合
散々「ふりかえり」をやりましょう、「改善につながるアクション」を実行しましょうと伝えていますが、議論の流れによってはアクションが決まらないこともあるでしょう。
そのようなときでも落胆することはありません。
アクションは実行されていなくても、「あなたがそれを問題と感じている」
ことがメンバーに共有された
だけでもチームは改善方向に進んでいます。
チームに変化を与えられたのであれば一歩前進と考えましょう。

■まとめ
・「ふりかえり」は「改善につながるアクション」を見つけ出すための一つの方法
・変化に対して抵抗が起きにくいよう、今あるチームの流れに乗りながら
 問題についてチームで議論するきっかけを与えると良い
・「改善につながるアクション」を決めるにはコツがあるので状況に応じて使い分ける
・チームは急には良くならないので、少しの前進でもOKとする
・小さな前進の積み重ねこそがチームを良くすること、と認識する

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