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点字つきさわる絵本「ぐりとぐら」のぬくもり

 三人の子どもたちとたくさんの絵本を楽しんできましたが、「点字つきさわる絵本」を知ったのは、つい昨年の秋でした。末っ子が保育園で毎月購入している 福音館書店 月刊「こどものとも年少版」の付録の親向けの小冊子で紹介されていたからです。

「点字つきさわる絵本」は、点字と盛りあがった絵に触れて楽しめる絵本です。絵本に透明樹脂インキで点字と絵が印刷されているので、絵や字も透けて見えます。目の見えない人も目の見える人も一緒に楽しむことができます。目の見えないママが子どもに絵本を読んであげるために作られたそうです。

「ぐりとぐら」を手に取ってみました。

絵と字は、「ぐりとぐら」の原作と同じ。透明樹脂インクで描かれた〔 さわる絵〕は、青い服のぐりは縦縞、赤い服のぐらはドット柄と、服の模様を変えることで区別できるようになっています。なるほど! また、たくさんの森の動物たちみんなで大きなカステラを食べるシーンでは、動物たちが重なり合わないように描かれています。
このように、〔 さわる絵〕は、ぐりとぐらの世界観を的確に伝えるために翻訳されています。
カステラの手触りは、樹脂インクの厚みを僅かに凸凹にすることで独特の柔らかさが表現されています。きっと、何度も試行錯誤したのではないかな。つくり手の愛情が伝わってきて、なでなでしていてほっこりします。

「点字つきさわる絵本」は、目の見える親子も楽しめる素敵な絵本です。多くの人に一度触れてみてほしいと思います。「ぐりとぐら」の他にも多くの点字つきさわる絵本があります。点字つき絵本の出版と普及を考える会のHPに紹介されています。是非お好きな絵本に触れてみてください。


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