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発達障害グレーゾーンと自分実験(2)「自己理解と不都合な現実」

前回(1)「人とうまく付き合えない」はこちら


前回は、大学時代まで「人とうまく付き合えないな」という感覚が、内側にずっとあったと話してきました。
今日の話は、社会人になってからの話。
もっとカッコ悪くでダサい自分をさらけ出していきます。あーこわ。

さて、僕は社会人になっても、人とうまく付き合えないなあと感じてきました。
同期とうまく付き合えない。仲良くなれない。自分だけ誘われない。
新卒時と第二新卒時、二回、同期ができる機会があったのですが、二回とも同じ気持ちを抱いていました。
周りから見たら、そんなことないじゃん、って言いたくなるかもしれません。
それか、実は、分かっていたよ、、、と、バレていたかもしれません。
でも決して、バレないようにスカして生きてきました(笑)。

人とのプライベートな付き合いは苦手でしたが、、、違いが生まれてきました。
仕事をしていく中で、何かしらのテーマがあると、面白いくらいに話ができることを体験していきます。
あ、これは僕の好きで得意なスタイルかも、ということに少しずつ気づいていきます。
たくさん勉強して知識・理論を蓄え、知識武装・論理展開していくことはとても得意となっていきました。

最初の会社では、新人から2年間で簿記の3,2,1級に合格し、上司や先輩と知識をベースに議論ができました。先輩は簿記の1級、2級でさえ不合格でした。新人の僕が一発合格。超褒められるし、プチ調子に乗ってました。

2社目は外資系コンサルティング会社に入り、コンサルタントになります。
それこそ本を数百冊読み込み、多くの知識をもって話をしていくことに楽しみを感じていきました。

 ただ、知識がない領域の話に及ぶと、頭が働かなくなり、何も言えなくなる、ということも体験を通して知っていきました。俗にいう、真っ白になる、ってやつです。
はい、人の話の流れが、うまくつかめないんです。
何を言っているか、時間かけないと理解できないんです。
人の3倍考え込んで初めて、理解できます。
周囲の同僚は、話をしながらぱっぱと論理展開していきます。
でも、ぼくはできない。何言ってるかわからない。
でも、わかったふりして聞いている。
おれ、頭悪いのかもなって感じるときが増えていきました。

そして30歳くらいの時、ちょっと悟ります。
自分は頭の回転が遅い。
でも、多くの知識をインプットすれば、その脳内データベースから必要な情報を引き出しながら、人にはできない話ができる、それが得意だ、と。
そして、人の何倍も時間をかけてじっくり考えぬけば本質をつかめる、それも得意だ、と。
 自分の特性をそのように理解しました。

同時に、プライベートの付き合いは、テクニックを磨き、最低限はできるようになっていきました。ただ、仲のいい友達はできない、といった気持ちはずっと持ち続けていました。
いまでも学生時代からの友達はほとんどいません。
最初の会社の同期とも、ほとんど連絡を取りません。
奇跡的に、2社目のコンサル会社の同期とは、仲良くしてもらってます。
同期で研修を受けていたときとかは、あー、僕は誰とも仲良くなれないなあ、って凹んだり、あきらめようとしていたのですが、ほんと幸運なことに、いまでも元同期の友達はたくさんいます。

そんなふうに学生時代から20代を、「人間関係うまく取れないから周りに一生懸命テクニックで合わせる」なスタイルで過ごしてきた自分ですが、36歳くらいを過ぎたころ、がんばって周りに適合していく生き方に不具合が出始めていきました。

親の会社を辞めたんです。
29歳のとき、事業継承するつもりで入った会社でしたが、力不足とメンタル不全が重なり、6年働いて、逃げるようにして辞めたんです。
人の気持ちを想像して、相手に合わせる。
相手の気持ちを考えすぎて、自分がなくなり、感情がおかしくなった。
500%の力で精一杯働きましたが、心が疲れ、折れ、そして、鬱に。
ある日、会社にいけずに、銀座の交差点で大声で叫ぶ、となってしまいました。
親の会社に入ると、苦手な人間関係を何とかしなければいけない局面だらけでした。
心が疲れたんでしょうね、そもそも苦手なことを、500%の力で頑張ってたんで。

36歳、無職に。
子どもは一歳、住宅ローンも、、、
人生、THE END、と思いましたよね。

ここからまだまだありますが、今日はいったんここまでで。
ふう、人生、ながいぜ。

次回は、そんな自分を客観的に知ろうと思い、「WAIS-Ⅲ検査」という知能検査をうけたのですが、それについてお話しします。この検査は、大人の発達障害の傾向があるかどうかがわかる検査でもあります。

2022/10/30追記
第3話 発達障害グレーゾーンと自分実験(3)「WAIS-Ⅲ 大人の発達障害の可能性を測る知能検査(その1)」はこちら


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