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行きたい設計事務所がないという悩み

皆さん、こんにちは。建築の進路やキャリアに関する相談をよく受けます。今回は特に「行きたい設計事務所が見つからない」という悩みに焦点を当てたいと思います。

相談内容no.1は?

多くの学生や転職を考えている方々が設計事務所選びに関する不安や疑問を抱えています。ライフプランや経済面の問題もある中で、最も一般的な悩みは「行きたい設計事務所がない」ということです。

なぜ悩むのか

この悩みについて、私は今では断言できます。それは、結論から言えば当たり前のことだと。実際、これを悩むこと自体が良い兆候かもしれません。私自身も皆さんと同じように建築に情熱を注いでいましたが、「どうしても入りたい」と思う設計事務所があったわけではありません。特に近年では設計の仕事がありふれているわけではないので労働環境も厳しく、いろいろと考えてしまうことが普通です。逆であった場合、何も考えずにいくと思うのでいつかの悩みが早く来ていると思うのがいいのではないでしょうか。景気がいい時が来ればきっとそんなこと悩まないと思います。就職のことで悩んでいた私は、とにかく設計事務所にいきたいという思いが強くその先になかなかフォーカスすることができませんでした。実際、悩みながらフリーランスとして数年を過ごし、次のステップについて多くの時間を費やしました。大学院へいっていなかったので今思えば実務をしながらどのような建築をつくっていきたいのかということを考えるいい機会だったなと思います。当時はつらかったですが若かったのであのときチャレンジしたり考えて本当によかったなと思います。一番つらかったですが、一番の財産になっています。

どうやって解決?

では、どのように進路を考え、進めていけば良いのでしょうか?答えは、建築を作る上で、どこか他人に答えを求めるのではなく、建築家としてどのように生きていきたいかという次の大きな目標を具体的に描けていますか。流行りとかそういうの抜きに自分がなにをしているのがベストなのか探せていますでしょうか。つまり、設計事務所に入ることが目標になっていないかと確認することです。

設計事務所での設計とは

学生時代、ある事務所の所長から「学生は幸せだ」とよく言われました。それは、学生は先生が設計した問題に対して答えを教えてくれるからです。この意味、皆さんにはわかりますか?私にはなかなか理解できませんでした。お客さんにプランを提案する際、そのプランが本当にお客さんにとって良いものなのかに自信を持って提案しなければなりません。自分を信じ抜く力が必要です。もちろん、聞ける人はたくさんいますが、最終的には建築家としての決断は自分が下すものです。もちろん、お客さんの承認も必要ですが、その建築に対して圧倒的に時間をかけて考えるのは建築家です。

行きたい設計事務所が見つからないことは、もしかしたら学生時代の延長で、自分の設計の答えを他人に求めているのかもしれません。あなたの設計事務所を探すポイントを再度整理してみることをお勧めします。

卒業後、次の転職先、そしてその先の未来を考えたとき、あなたは何を望んでいますか?この逆算のプロセスが、一生を通じてどのような建築を作りたいかを考える上で重要です。建築設計を続けるにあたり、テーマ設定が役立つかもしれません。また、自分のライフスタイルと設計キャリアをどのように調和させるかが大切です。長い建築家人生で、自分自身に問いを投げかけることが重要です。設計事務所に入ることは目的ではなく、手段です。

設計事務所にいても、初めは上司の判断に従うことが多いでしょう。しかし、設計の本質は、自分で良いと決めたものを顧客に提案する決断力にあります。50年後、100年後もその建築が持続するかに自信を持つことが大切です。そのような経験を提供する事務所が良いでしょう。独立前に、ある程度の裁量権を持って経験を積むことが、後のキャリアに役立ちます。

ここを考えてほしい!!!

最終的には、設計事務所がどうあれ、自分がどのような建築を作りたいか、どのような社会を望むかを考えることが大切です。大きなビジョンでなくても良いです。小さな「良いな」と思うことから始めて、徐々にビジョンを広げていくことをお勧めします。何かを決めて行動するプロセスは、次のステップに必ず役立ちます。そして、何より続けることが重要です。最もやる気がある時だけでなく、調子が悪い時でも続けられる選択をすることも重要です。日々のコンスタントな努力がプロとしての資質です。あなたのペースで、あなたが良いと思うことを選び、大切な人が喜ぶことに取り組んでください。10年後、20年後、50年後に建築に関わっていたいと思うなら、どのような建物を作りたいかを考えてみてください。

私は、建築が文化を変える力を持っていると信じています。それは簡単ではありませんが、誰かの願いを叶える素晴らしいソリューションです。建築におけるダイバーシティと建築の関係性を追求し、人々が望む社会を形成するために努めています。このような目標を持つことで、自分が何をすべきかが明確になります。

大丈夫だから飛び込もう

要するに、設計事務所で働いてお客さんの前に出てから次の進路を考えても遅くはありません。建築学科で全力でデザインを学んだことは、あなたの貴重な資産にもうすでになっています。自信を持って次のアクションを起こしてください。自分に合わないと思っても、少し視点を変えるだけで次の道が見つかります。どのような未来が来れば良いのか、じっくり考えて、心を決めてみてください。建築のデザインをこれまでに学んだあなただからこそ、その未来を考える能力をあなたのために使ってみてください。

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