3か月で自分軸が見つかる「感情ノート+AI分析」のすすめ
自分軸って、見つけるの難しくないですか?
自分の強みとか、自分らしいキャリアとか、人生の目的とか。
「方向性さえ決まれば、私だって、グッと前に進めるのになぁ……!」
なーんて、私もくすぶった思いをずっと抱えていました。
自分の進むべき道を見つけてどんどん活躍していく人たちを見て、焦りや、悔しさや、ある種の諦めや、自己嫌悪をにじませたりして。
私は今年の春にキャリアコンサルタントの国家資格を取得し、キャリアに関して体系的に学んだからこそ、あらためて確信しています。
自己理解って、めちゃ難しい!!!!
最近では、自己理解のための分析ツールや書籍、セミナーなどがあふれているように感じます。でも、結局よくわからない……とモヤモヤしている人も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが「感情の揺れ動きノート」です。
決して難しいものではありません。要は、自分の気持ちにもっと焦点を当てて、客観的に観察してみましょうという提案です。
ご機嫌リスト/地雷リストで自分を知る
「感情の揺れ動きノート」は、その名の通り、自分の感情がプラスに振れたときとマイナスに振れたときを記録していくというものです。
あらためて振り返ると、私がこのノートをつけていたのは2023年5月頃。きっかけは「朝渋」で開催されたイベントで、元LinkedIn日本代表の村上臣さんが「情熱の見つけ方」について語った内容がヒントになりました。
必要なのはノートとペンだけ。デジタル派の場合は、スマホやパソコンのメモアプリでもOKです。ちなみに私は、スマホのショートカットキーで「Google Keep」アプリが一発で開くように設定しています。
書き込む内容は、大きく次の2つです。
1.感情がプラスに動いたこと(ご機嫌リスト)
嬉しかったこと
楽しかったこと
ワクワクしたこと
テンションが上がったこと
心があたたかくなったこと など
2.感情がマイナスに動いたこと(地雷リスト)
嫌だったこと
気分が下がったこと
イライラしたこと
モヤモヤしたこと
もう二度とやりたくないこと など
ポイントは、どんなに些細なことでもいいので、心が動いたらそのまま書き出すこと。
たとえば私の場合は……
ごく一部を抜粋したものですが、こんな感じでしょうか。
実際のノートには、もっと生々しく自分の言葉で、テンション爆上がりなコメントも汚い言葉もリアルに残しています(笑)そのほうが、当時の感情をありありと思い出せるので。
このように、日常生活で感じた感情を、できるだけこまめに記録していきましょう。
感情がプラスに動いたことを記録した「ご機嫌リスト」は、まさに自分だけのトリセツとしても機能します。気分がよくなることを並べているので、そのまま自分の機嫌の取り方や心地よさを見つける方法になるわけですね。
また、つらい状況に直面したときは、それを乗り越えるためのコーピングリスト(ストレスや困難の対処法)にもなります。
一方で、感情がマイナスに動いたことを記録した「地雷リスト」は、自分の価値観や大切にしたいことを明確にするのに効果的です。自分の“地雷”を知っておけば、仕事でもプライベートでも判断を間違えにくくなります。
感情の記録で、自分らしさの輪郭が見えてくる
自分の感情の揺れ動きを3か月間コツコツ記録し続けると、思った以上に多くの発見があるものです。
「ご機嫌リスト」からは、
自分がどんな時に喜びを感じるか
どんな人と一緒にいると心地よいか
どんな環境でパフォーマンスが上がるのか
自分の好きなこと・得意なことは何か など
「地雷リスト」からは、
どんなときにストレスを感じるか
どんなことを避けたいと思っているのか
自分にとって何が大切なのか
自分の苦手なこと・嫌いなことは何か など
こんなふうに自分自身の好き・嫌いが明確になり、自分の価値観や行動パターン、強みと弱みが見えてくるのです。
私自身も、この「感情の揺れ動きノート」をつけることで、自分の価値観が少しずつ見えてきました。たとえば次のような感じです。
そうして傾向を見ているうちに、自然と「快適に生きる」という自分軸=人生のモットーが見つかりました。
これって、結構すごいことじゃないですか??
さらにそこから派生して、「快適に働く」というテーマで私に伝えられることがあるのではと考え、2冊目の書籍を出版したりもしています。(アッ…宣伝でごめんなさい 笑)
読み解きが難しければAIに頼るべし
「感情の揺れ動きノート」をつけたところで、そこから自分軸を見いだすのが難しい、強みやキャリアには結びつけられなさそう……という人も、きっといますよね。
そこで最近では、AIに分析してもらうのが超おすすめです(ChatGPT、Claude、Geminiなど)。便利な時代ですねぇ。
たとえば、次のようなプロンプト(指示文)を試してみましょう。
{自分のノートからコピペ}の部分には、それぞれ自分のノートに書かれた内容を写して入力してください。
あなたはプロのキャリアコンサルタントです。
私はこれから、自分の傾向を詳しく分析して、
今後のキャリアに生かしたいと考えています。
以下の2つのリストをもとに、専門家の立場から、
私の強み、弱み、価値観について詳しく教えてください。
# 感情がプラスに動いたことリスト:
"""
{自分のノートからコピペ}
"""
# 感情がマイナスに動いたことリスト:
"""
{自分のノートからコピペ}
"""
私の場合は、ChatGPTで試すとこんな感じで返ってきました。
回答が返ってきたら、以下の追加質問をしてみるのもいいですよ。
これらの傾向から、どんなキャリアが私にとって理想的でしょうか?
これらの傾向から、私の適職についてアドバイスをください。
プラスの経験を今後もっと増やすために、どんな行動やスキルが必要ですか?
マイナスの経験を減らすために、私にどんな工夫ができますか?
こんな感じで、ぜひAIも活用しながら自分の強みや弱み、価値観を探っていきましょう。自分では気づかない新しい視点が見つかるので、めっちゃ面白いですよ。
(※AIには個人情報や機密情報は入力しないようにしてくださいね)
まずは1週間でOK、感情に目を向けよう
「感情の揺れ動きノート」は、単純な方法でありながら、実は自分自身と深く向き合うための強力なツールだと思っています。人間は感情の生き物なので、そこにフォーカスすることには大きな価値と効果があるはずです。
自分の強みや弱みを探るときって、過去のキャリアの棚卸しから始めるパターンが多いと思いますが(もちろんそれも大事)、このノートの特徴は「今」の自分に向き合えることです。実績や肩書きも一切関係ないし、心の根っこにある本質的な部分を見つめられます。
ちなみに3か月を提案する理由は、自分の行動や感情のパターンを見つけるのにちょうどいい期間だからです。1か月だと、人によっては出会う相手や行動範囲が限られてしまいますよね。振り返る際も、3か月前くらいまでなら思い出しやすいでしょう。
ただ、最初から3か月というとハードルが高く感じるかもしれません。そんな場合は、まず1週間からでもOK。感情の動きに目を向けるとどんな発見があるのか、そこから楽しんでみるのはどうでしょうか。
もし、記録をつけていても「なかなか感情が揺れ動かない」と感じる場合は、次の2つの可能性を考えてみてください。
感性が鈍くなっている
環境に変化や刺激が少ない
1に心当たりがある人は、日々の疲れから無意識に感情を抑え込み、省エネモードで過ごしているのかもしれません。いつか思わぬ形で感情が爆発してしまう前に、心で感じたことを敏感にすくい上げる習慣をつけられるといいですね。
2に当てはまる人は、良くも悪くも“凪の状態”かもしれません。現状に不満がなければ、その落ち着いた日常を楽しむのも一つの選択です。ただし、現状維持が続けば衰退につながるため、意識的に新しい変化や刺激を取り入れてみるのも大切です。
いずれにしても、日々の感情の変化に目を向けることで、思いがけない発見があると思います。まずは自分のペースで試してみてください。
「感情の揺れ動きノート」が、自分軸を見つける新たな一歩になりますように。それではまた!