オシャレと身だしなみ
オシャレに興味を持てない体質なのは間違いないと思う。
20歳代、実は大学のデザイン学科に2年ほど通っていたことがある。周りの影響もあって、若干オシャレ風に過ごした時期がないわけではない。
けれども、その2年間は、心からオシャレを楽しめないことを確認できただけだった。オシャレというものに価値を感じることができなかったのだ。
時は流れ、45歳を過ぎてから、再就職のために就活講座に通っていたときのこと。
外見があまりにもサバサバしすぎているとして指導を受けた。カジュアルすぎて不真面目な印象になりかねないと、厳しく指摘されたのだ。
私は、「女性らしさを求められる職種は向いてないから見た目には手間をかける必要がない」といったような返答をしたかと思う。
すると、講師から次のように諭された。
オシャレをするという話をしているわけではない。身だしなみをきちんとするという話をしているのだ。
オシャレと身だしなみの違いを考えたことはあるか?
職業人としてのオシャレと身だしなみとして端的に説明するなら、オシャレは自分のためにするもので、身だしなみは接する相手のためにするものだ。
この話を聞いて、とても腑に落ちたことを覚えている。
オシャレをする必要のある職業もあるだろう。ショップで服を売る仕事や化粧品を売るとか、そういう仕事の人はオシャレをすることも求められるはず。
けれども、仮にオシャレをすることが求められない職業であっても、人と接する仕事ならば、相手を思って身だしなみを整えることは仕事人として求められて当然のこと。
更に一歩進んで考えると、身だしなみを整えることは求められている職業で、かつ、オシャレをするのは好ましくないというケースもあるだろう。医療関係者や教育関係者などが、それにあたるのではないだろうか。
オシャレには相変わらず興味を持てない私だが、オシャレと身だしなみの違いを心得て、身だしなみをきちんと整える意識は持ち続けていきたい。