【ほんだけ】2023年に出会ってよかった10人と推し本
2023年も多くの本とたくさんの時間を過ごしてきました。
2020年からずっとお世話になってる原田マハさんや、平野啓一郎さん、若松英輔さんの本に加えて、今年新たに出会うことができた著者10人とそれぞれのおすすめ本を紹介します。
1.鳥羽和久さん
松本市で夜に立ち寄った栞日で出会ってしまった、こちらの本。
帯にあった、この言葉に導かれ、鳥羽さんワールドにのめり込むことに。
福岡の学習塾で20年。小中高生とその親に向き合い、面談や教室でかさねてきた言葉や出来事が、「葛藤」や「意志」という章ごとに記されています。
ずっとこれまで子どもたちと日々を過ごしてきた親は、だれよりも子どものことを知っている。はずなのに、どうしてこんなにも通じ合えないのか。
おやが悪いのか、子どもがわるいのか、ではなく、その間や周囲にあるものにいっしょに目を向けること。観察者として第三者でありながら、日々当事者でもあり続ける鳥羽さんだからこそ、響いてくる言葉があります。
2.川上未映子さん
はじめ出会ったのは『乳と卵』。数年後の恵文社でこの本が目にとまり、ザラザラしたものを感じながら、抗うことができずに読み進めました。
子どもが親との間に抱えるものはいい思い出もあるけれど、辛さや悲しさや怒りもある。母子家庭で育ち、母との間はいまだ言葉足らずなままでいるじぶんにも、緑子は声を上げることを迫ってくる。
3.村田沙耶香さん
コンビニ人間で芥川賞を受賞した村田さん。コンビニ人間より、村田さんが本について語るこちらの本や『となりの脳世界』のほうが私はよかった。
「知った瞬間から汚れている言葉」のひとつとして語られる「家族」という言葉。みんなそれぞれ私的にもつ、暗く淀みがちな「家族」。『最愛の子ども』について書かれたその文章は、なんど読んでもわかり得ないものを含んでいて、なぜか心地よい。
4.三木那由多さん
こちらも恵文社で手にした『会話を哲学する』で出会った方。恵文社は見知らぬ本に手を伸ばしたくなる引力を高める書店なのかも。
会話の多い本屋さんというSchooが吉祥寺に23年9月に1ヶ月限定で開いていたお店にサポートメンバーとして参加し、そこで出会ったこの本。
伝える人の意のままにならない言葉を、約束と捉えること。言葉を手放すことで、それを掴み直すことができる可能性がここには開かれている。
5.高瀬隼子さん
同年代で同郷。1988年愛媛県生まれの高瀬さんは、Audibleで出会った『おいしいごはんがたべられますように』の職場の人間関係のリアリティに恐ろしさを感じて、こちらの本を手に。
嘘をつきたくない、誠実な人が好きだ。小説家は現実にない話をつくる。自分の中でなりやまない自分の声のうるささは、いつどうして静かになるのだろうか。
6.小川哲さん
読書会で『君のクイズ』をよんでからハマってしまった小川さん。
何人も好きになれない人が現れる本書は、目につく棚においておけない本。
7.アダム・カヘンさん
コミュニケーションもファシリテーションも、日本ではしっかり根付いていないし、多くの誤解や軽視があるように感じる。
はやくまとめようとしすぎたり、個人の話をききすぎたり。その両極端な選択肢の罠から抜け出すために必要なものがここには書かれています。(早くこの本のnote書きたい!)
8.北瀬聖光さん
超大企業NECをイノベーションできる組織に変えた北瀬さん。
この本を共通言語にできた企業は、いち早く組織的なイノベーションを実現できるはず。新規事業担当者の仲間と、読書会したい一冊。
9.石塚真一さん
今年2月に映画になったブルージャイアント。
「世界一のジャズプレイヤーになる!」と言葉にし続ける大の器の大きさと、玉田の「やらされてんじゃねえよ。オレが、やんだよ」に惚れました。
10.泰三子さん
本好きな母から送られてきたハコヅメ。
『ハコヅメ仕事論』で元警察官だった泰さんの人柄に触れてから手に取ると、いっきに引き込まれました。警察官にやさしくなれるマンガです。
2,000文字ある長文をここまで目を通してくださりありがとうございました!
2024年は共同書店の棚主、読書会の活動をすこしずつ大きくしていけたらなとおもってます。これからも、どうぞ宜しくお願いします!!!おしまい。