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動き始めた世界情勢~戦争の足音が聞こえる~

久しぶりの投稿になります。
ここ数日で世界情勢の緊張感が一気に高まりました。
今回は一昨日に起きたイスラエルでの出来事と、ここ最近で大きく動いた東アジアの情勢について触れていきたいと思います。


①イスラム組織ハマスがイスラエルに大規模攻撃、戦争状態へ

◆イスラム組織ハマスが、イスラエルへの異例な大規模攻撃を展開

一昨日の10月7日早朝に、パレスチナ自治区ガザ地区からイスラエルに向けて大量のロケット弾が発射されたほか、武装組織ハマスのメンバーらがイスラエル内に侵入しました。イスラエル軍は反撃をただちに開始し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は「これは戦争だ」と宣言、9日夜までに双方で計1600人近くが死亡し、イスラエルはガザの完全封鎖を実施しています。

イスラエルはさらにガザへの攻撃を強化する構えで、地上侵攻に踏み切るとの観測もあります。ハマスも攻撃継続の姿勢を崩さず、戦火は周辺国にも飛び火しています。事態は中東全体を巻き込む危機の様相を呈しています。

◆世界各国の反応

これを受けて、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリアの5カ国の首脳は9日、イスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃について、「イスラエルへの揺るぎなく結束した支持と、ハマスの恐ろしいテロ行為への明確な非難を表明する」との共同声明を発表しました。

声明では「ハマスのテロ行為は攻撃正当性も合法性もなく、あまねく非難されなければならない」と指摘。音楽祭を楽しんでいた若者200人以上が殺害されたことや、高齢女性や子どもが拉致されたことに言及し、「自国と自国民を守るイスラエルの尽力を支持する」としながらも、「我々はみな、パレスチナ人の正当な願望を認識し、イスラエル人とパレスチナ人が同じように、正義と自由のための手段を同等に持つことを支持する」として、パレスチナ人への配慮も見せています。

一方、南米コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は9日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスによる攻撃への報復としてイスラエルがガザ地区を攻撃していることをナチス・ドイツによるユダヤ人迫害になぞらえて非難、イスラエルのヨアブ・ガラント国防相の「われわれは(人以外の)動物と戦っている。相応の措置を取る」という発言に対し  ペトロ氏は「これはナチスがユダヤ人に対して言ったことだ」「民主主義国家の諸国民は、国際政治の場におけるナチズムの再興を許すことはできない」とX(旧ツイッター)で指摘。
さらに、ガラント氏の発言は「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」に相当し、こうした表現が今後も許されるなら「ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人に対して行われた大量虐殺)をもたらすだけだ」と述べました。

◆ハマスの行動目的

そもそも、今回ハマスがこのような軍事行動をとったのにはどのような理由があるのでしょうか?

その一つは、米国主導で進めている、防衛条約締結などを見返りにしたサウジアラビアとイスラエルの国交正常化でしょう。

この地域では2020年の後半より、アラブ4か国(UAE、バハレーン、スーダン、モロッコ)はイスラエルと次々に国交正常化を決め、イスラエルとの新たな安全保障秩序の構築に向けた動きが活発化しています。
また、この動きには米国のサウジとイランの関係強化に歯止めをかける狙いがあったようで、ハマスを支援するイランも警戒感を強めていたようです。

ハマスの今回の軍事行動には、パレスチナ国家樹立への希望を脅かしかねないこうした動きにくさびを打ち込む狙いがあったとみられています。

歴史的に複雑なパレスチナ問題を置き去りにし、「実利」だけで中東の安定化を図ることの困難さが示されたと言えるでしょう。

◆ロシアの関与は?

さらに、ウクライナのゼレンスキー大統領は9日のビデオ声明で、イスラム組織ハマスのイスラエル攻撃を巡り、中東で戦争が起きることに「ロシアが関心を持っている」「ロシアの友好国イランがハマスを公然と支持している」と非難しました。
つまり、この事態の背景にロシアの存在があると疑う声があるという事です。
また、ロシアの侵攻が続くウクライナとの本格的な二正面作戦を迫られれば、最重要課題と位置づける中国抑止を急ぐ米国にとっても誤算になります。

とはいえ、ロシアもこの件についてはイスラエルとハマス双方に停戦を呼び掛けるなどしており、あくまで中立の立場をとっています。

◆今後の動向について

イスラエル軍とハマスでは圧倒的に軍事力の差があり、戦闘が長期化すればハマスにとっても不利になります。それゆえにハマスが民間人を人質に取って状況を長引かせる可能性があります。

ハマスは現在女性・子どもを含む民間人や軍将校など100人を超える人質を抑留しています。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は「ハマスが2006年、たった一人のイスラエル軍人を捕虜として捕まえ、5年以上交渉したあげく1000人超えるパレスチナ捕虜と対等交換した前例がある」と伝えました。

この事態が長期化すれば、報復の連鎖によって一般住民の被害が拡大する悲劇を繰り返す事になり、さらに地域の不安定化と世界経済への悪影響が懸念されます。

②東アジア情勢にも異変あり

◆大手軍事企業がアジア統括機能を日本に移転

世界の大手軍事産業が次々とアジア統括機能を日本に移転しています。これには、地域責任者を置き、アジア全体の戦略を管理する、 日本の政府や防衛大手企業に売り込んだり協業を探ったりするほか、調達先を広げる目的があるとしていますが、恐らくは今後の台湾有事、あるいは日本や東南アジアを巻き込んだ中国との軍事衝突を見越しての動きだと思われます。

実際ウクライナ侵攻の真っ最中の2022年9月27日にも、ウクライナのキーフ(キエフ)で武器の見本市が行われるなど、火種があるところには軍事産業も注視しているようです。
(現在その情報はインターネット上からはほとんど削除されています)

https://www.hue.ac.jp/visitors/local/careerup/f3huum0000000p0j-att/CP_magazine290.pdf

現在、様々な最新鋭の武器が戦場に送り込まれ ているが、今年の秋には、キーウ(キエフ)で武器見本市の開催が予定されている。

広島経済大学 キャリアアップ・プログラム通信(第 290 号) 2022 年 5 月 26 日 配信

◆米がベトナム向け過去最大規模の武器売却を協議

バイデン米政権は、ベトナムに過去最大規模の武器売却を行う協議を進めている。事情に詳しい2人の関係者がロイター通信に明かしています。

関係者の1人の話では、売却対象にはF16戦闘機などが含まれ、来年中にも合意に至る可能性があります。バイデン大統領とベトナム最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長は11日に共同声明を発表し、両国関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げしており、大規模武器売却はそうした取り組みの集大成となってもおかしくないとの事。

一方この動きは中国の反発を招く可能性もあります。ベトナムと中国の間では南シナ海における長年の領海問題を巡る対立が強まり、ベトナム側が海軍力の拡充を図ろうとしている理由の1つにはこうした状況があります。

米国とベトナムの話し合いはまだ始まったばかりで、細かい条件を詰める作業はこれからになるため、最終的に協議がまとまるかどうかは現時点では分かっていないようです。

◆台湾、憲兵隊を1万人超に倍増

台湾紙・自由時報など複数の台湾メディアによると、国防部(国防省)は来年から、憲兵隊を現在の5600人から1万1000人に増員し、総統府がある台北市を守る202司令部の大隊を一つ増設するそうです。中国が台湾への軍事的な威圧を強める中、中国軍による要人殺害を意図した「斬首作戦」に対し、備えを万全にする狙いがあるようです。

憲兵隊は総統や副総統らの警護、空港や主要駅などの重要施設の警備、治安維持を担う。敵に対抗するため、拳銃だけでなく、機関銃や迫撃砲も装備しています。

まさに台湾の危機感が伝わってくるニュースです。

◆中国が尖閣諸島支配の既成事実化を進める

中国が東シナ海の日本の排他的経済水域(EEZ)内に大型のブイを設置した問題で、中国の海洋調査船が中国浙江省寧波市を出航後、約7ノット(時速約13キロ)という遅い速度で航行し、ブイ設置後に2倍以上の速度で引き返していたことが24日、船舶自動識別装置(AIS)のデータから明らかになりました。
海上保安庁はこの海洋調査船がブイを運搬し、設置したことを示す有力な証拠とみています。

ブイは尖閣諸島(沖縄県石垣市)の魚釣島の北西約80キロ、日中中間線の日本側の位置で確認されました。
政府は外交ルートを通じて中国側に抗議し、即時撤去を求めています。

ブイの設置は尖閣周辺の海域で管轄権を既成事実化し、実効支配を演出しようとする狙いもあるとみられ、専門家は中国側の動きを警戒しています。

◆沖縄県が中国と友好関係に

最後に悲しいニュースです。
そんな、沖縄県民・漁民が尖閣諸島・日本領土・海域内で操業中に中国警備船に操業を脅かされてるさなか、玉城沖縄県知事が10月6日、抗議もしないで中国との友好を深めたいという方針を発表し、物議を醸しだしています。

玉城デニー知事は6日、中国の呉江浩駐日大使と県庁で面談し、中国と沖縄の友好を深める方針を確認しました。
県議会の赤嶺昇議長が5日に、呉大使に尖閣諸島問題や沖縄周辺への弾道ミサイル発射に抗議する要望書を渡しており、玉城知事は「議長からの要望も政府に対して要望しているもので、その点を理解しながらよろしくお願いします」と議長の要望書に言及しながらも、自ら抗議はしませんでした。

呉大使は「中日平和友好条約締結から45周年。いろいろと複雑な事情があるが、平和的に協力していきたい。お互いの国同士が脅威にならず、協力のパートナーになる中で、沖縄ならではの特別な役割を果たしていただきたい」と期待を示し、その上で「沖縄には独特な文化、魅力がある」と述べ、習近平国家主席も沖縄に関心を持っていると伝えました。
会談は終始、和やかな雰囲気で進み、玉城知事は沖縄の伝統的な織物ミンサー織を手渡し、呉大使は福建省のお茶を贈ったそうです。

尖閣問題について、外交は国の政策、仕事と言いながら、県知事としての立場を超えて中国との外交を行うというのは矛盾しかありません。

中国の呉江浩駐日大使の発言にしても、他国が日本の特定の県に関心を示し、パートナーとして役割を期待するなどという事には違和感を覚えます。また、昨今中国はやたらと琉球独立を喧伝するようになりました。尖閣の問題や漁業問題、ミサイル問題など一切の抗議は行なわずに友好ムードを演出するデニー知事ですが、沖縄県の方々はこの方向で良しとしているのでしょうか。沖縄県に中国共産党の影響が強まり、自由も人権も無くなってからでは遅過ぎます。

残念ながら、世界は確実に戦争へと向かっていると言わざるを得ません。
何故なら、そこには戦争が起きる事で得をする人々がいるからです。
僕たち一般人ができる事も限られています。
最悪の結果にならないように祈りつつも、今できる事、備えをしっかり行っていこうと思います。



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