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読書感想9冊目:モモの医術史(1~)/淺野のん著・猶本三羽原作(花とゆめコミックス)

 注:感想を書き連ねる間に重要なネタバレをしている可能性があります。ネタバレNGな方は読み進めることをおすすめしません。苦情については一切受け付けません。また、感想については個人的なものになります。ご理解ご了承の上、読んでいただくことをお願いいたします。

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 このお話、『ロイヤルメディカルアドベンチャー』だそうです。
 裏表紙の一文ですが、いや、これ結構難しかったよ……?
 そんなポップな一文でいいの、こんな面白いマンガ……
 いや、でも、そうだ。ちゃんと考えてみよう。ひとつずつ単語を区切るなら、
 ロイヤル……うん、ある。
 メディカル……タイトル『医術史』だもんね!
 アドベンチャー……直訳だと「冒険」。まぁ、旅してるしね!
 あれ……? あってますね。
 紹介文あってました。うん。

 とまぁ、わけのわからない茶番はさておき。
 主人公は「お嬢ちゃん」と言われては「僕は男だっつーの! この筋肉が見えないのか!(筋肉のない細い腕むきぃ)」を繰り返す、13歳のモモ。
 モモは「アピスの書」を求める旅人。しかし類い稀なる医術の知識と技術を駆使する医師。
 大帝国の王家専属医師でありながら、帝国にいるわけではなく旅するモモ。その目的は『死者蘇生』。
 「アピスの書」に載っているというその術を求めていろいろな場所を訪ねるモモは、いろいろな「不思議なこと」に出会います。

~1巻~
①王家の手が病を癒やす『ロイヤルタッチ』
②吸血鬼伝説
③死者蘇生魔術ショー

~2巻~
④天龍様
⑤緑の幽霊
⑥処女受胎

 どうでしょう。面白そうだと思いませんか。
 そして、ひとつくらいはどこかで聞いたことがあるかもしれません。不思議なこととして。
 不思議なことは不思議なことなのですが、思い出してください。
 このマンガのタイトルには、「医術」が入っています!
 伝説などで終わらず、どのお話も医術に関わるお話であり、医術によって成り立ってしまうのです。
 医術によって解明されていく物語の数々。
 彼らにも事情はあれど、命に関わるその事象に、モモは冷静に対処します。
 現代医学では当たり前とされていることも、当時は「呪い」や「祝福」と神秘化されていました。
 人間があらがえない、よくわからないもの。それによって人は死ぬし、神様の奇跡によって生かされている。
 それをひとつずつ、説明と同時にモモは明かしていくのです。
 時にはすっきりしたり、時には少し胸が重くなったり。
 もしかしたらいろんな昔の事件や伝説は、実は病気だったのかもしれないな、と現代医学の進歩を思うのも面白いかもしれません。
 モモはそれよりも「アピスの書」を早く手に入れ、「死者蘇生の術」を知りたいのですが、なかなかうまくいきません。
 あげく、なにやら「アピスの書」を手に入れたい理由がそもそも深く深く入り組んでいるようで……

 大帝国のいろんな要素も大きく関わってくる予感もあるので(医師のほかにも科学者なども出てくる)、大帝国にも秘密がありそうです……
 そのあたり、続刊で解き明かされていくんだろうな!と要素が絡まる楽しみがあってたまりませんね。

 続刊は続刊でまた感想を書き連ねて生きたいと思います。
 ここまでお読みいただきありがとうございました!

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