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15の夜も53の夜も

花粉症を抑えるためについに病院へ行った。
なんとも言えないくらい楽になった。
食わず嫌いとはいかほどのものなのか。
やはり人間は誰かに頼ってしか生きられない。
なんてちっぽけでなんて無力な15の夜。
セレッソ大阪の連勝に浮かれるだけでは、
なにひとつ生き方が変わることはない。
それでも勝利というのは気つけ薬でもあるな。
花粉症から自由になれた気がした15の夜。

もう日本代表の試合の一喜一憂が、
マイクがいるかいないかで成り立っている。
もちろん南野拓実がいるのも嬉しいのだけれど、
どうしても毎熊晟矢に目が行ってしまうのだ。
北朝鮮戦は久々にアミーゴと一緒に見た。
どうもサッカーはひとり観戦が板についている。
いや何事も単独行動がデフォルトかもしれない。
子供の頃からひとり時間を愛することができた。
さみしいという感情が幼少から搭載されていない。
それでも誘ってくれることに温かみを感じる。
自販機と100円玉が織りなすかのようなあたたかさ。
「じゃ次の代表戦で」
頑張って次の代表戦まで生きていようじゃないか。

とはいえ花粉症が治ったわけではないのだ。
なんとか抑え込めているだけと言ったほうが正しい。
いつものことだがシーズンが始まってしまうと、
一週間セレッソ大阪の試合が無いだけで悲しくなる。
なにをして過ごせばいいのかわからなくなる。
とにかく映画と読書でときを浪費していく日々。
暑いのか寒いのか、季節の変わり目のような天気に、
体のほうがついていかなくなってきているな。
特に毎年、この時期の寒さは尋常じゃない気がする。
冷たい北風と冷え切った身体と人恋しさと。
無敗無敗と言ってもまだ四試合しか戦っていない。
そんなものは意識しても仕方のないことでもある。
だから今はあったかくして寝るのが一番だ。

日本代表はこのあとアウェイが待っている。
ぼくはマイクの無事を祈りながら毎日を生きている。
常に心のなかにはセレッソ大阪が存在している。
そんな三〇年を毎秒毎分毎時毎日毎週毎年。
大人達は心を捨てろ捨てろと言うがいやなのさ。
常に気持ちは不安定だったあの頃のままがいい。
自由を求めて走り続けた15の夜。
セレッソ大阪を愛する心は誰にも縛られることない。
今夜も明日の夜も、あの日の夜とちっとも違わない。
負けてもいい。逃げてもいい。
Jリーグはサードプレイスになればいいのだ。
もし日常に居場所がなくなってしまったのなら、
ぜひとも一緒にサッカーを見ようよ。
そうしようよ。

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