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#89 ゴーストキッチンの次は「ゴーストホテル」がくる?

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Briefing

ゴーストキッチンの次は「ゴーストホテル」がくる?

https://www.tubefilter.com/2022/10/10/sidemen-ghost-hotel-london-travel-gen-z-ghsthotels/?utm_source=substack&utm_medium=email

イギリスの人気YouTuberグループ「Sidemen」が、2023年夏にSidemen仕様のホテルをオープンする予定であることを発表した。Sidemenのホテルは「Ghsthotels」という、クリエイターとのコラボホテルを支援するスタートアップとの提携によって実現する予定だ。

Ghsthotelsのネーミングはパンデミック下で一気に広がった「ゴーストキッチン」からインスパイアされている。これまでインフルエンサーたちがD2Cブランドを立ち上げたり、フランチャイズでレストランビジネスに参入してきたように、今後はホテルもインフルエンサーがプロデュースするスタイルが広がっていくかもしれない。SidemenはGhsthotelsに投資もしており、インフルエンサーがビジネス展開する際のプラットフォームとしてGhsthotelsへの注目度も上がっていきそうだ。

中国発ショッピングアプリ「Temu」が全米DL数1位に

中国の大手EコマースPinduoduoが開始した中国製の商品を欧米の消費者に提供する「Temu」が、アメリカのAppストアでもっともダウンロードされたショッピングアプリとなった。TemuはAmazonやWalmart、SHEINといった人気アプリを抜いてショッピングアプリのダウンロード数一位となったものの、SNSで大きな話題となったわけではなく、インフルエンサーの言及も見られないため、広告費の大量投入が背景にあるのではないかと『Marketplace plus』は報じている。

Temuの強みは、なんといってもその価格の安さにある。たとえば、Amazonならば15ドルで売られているようなスリッパが、Temuでは約1/4となる3.99ドルで購入できる。2022年9月初旬にサービスを開始したTemuは今のところシンプルなショッピングアプリ機能のみだが、親会社であるPinduoduoは共同購入やソーシャルコマース、C2M(consumer-to-manufacturer)などの機能を複合し、中国では8億6800万人のアクティブユーザーを抱える巨大プラットフォームだ。

SHEINもアメリカで人気が高まっているように、低価格を強みとした中国発のプラットフォームが今後もアメリカ市場で存在感を増していきそうだ。


Editor’s View

『ゴーストキッチンの次は「ゴーストホテル」がくる?』を読んで

コロナ前の観光需要が盛り上がっていた頃はブランドがホテルを開業したり、期間限定でコラボした宿泊プランを提供したりといったケースが徐々に増えていました。世界的に観光需要も回復の兆しにある今、コラボを前提としたホテルづくりには可能性を感じます。Podcastでも話した通り、これまではホテルの名前にいかにブランド価値をつけるか、そしてそのためにどんな内装でどんな体験を提供するか、という考え方でデザインされてきましたが、その特徴やブランドイメージの強さがコラボしづらさにつながることも。コラボが前提になると空間の作り方も変化しそうなので、クリエイターとの分配モデルや料金体系といった仕組みも含め、「Ghsthotels」がどのようなホテルづくりをするのか、第一弾となるSidemen Hotelの開業が楽しみです。──Asami(@qzqrnl

最近日本でも面白かったのが、元テレビ東京プロデューサーである佐久間宣行さんのオールナイトニッポン0の音楽ライブ「ドリームエンターテインメントライブ」。そのイベントでは、会場付近の新横浜プリンスホテルと連動企画をやっていて、宿泊者限定の特別グッズやライブ終了後に参加者同士の打ち上げができるそう。限定アイテムも歯ブラシやアイマスク以外にも音声メッセージカードが付いていたり、ラジオ番組らしさもあってライブの前後も楽しめる仕組み。とはいえ限定コラボやイベントの枠から出た1からクリエイターと作るホテルの構造はどんなものになのかいつか泊まってみたいです!──Miki(@mikikusano

『中国発ショッピングアプリ「Temu」が全米DL数1位に』を読んで

TemuはアメリカにとってAmazonのリプレイスになろうとしているD2Cモデル。特に今のアメリカのインフレの状況が続くとより低価格である一定のプロダクトのクオリティで満足すると考えると、Temuにチャンスはある。今回のポッドキャストでは触れなかったが、最近SHEINもTikTok、そして恐らく後にTemuがアメリカや海外でロジスティクスのネットワークを作ろうとしている話に中国政府が絡んでいる可能性もある。中国としては世界の工場だけではなく、世界のロジスティクスネットワークを作ることによってより経済権力を持つことを目標にしている。ただTemuとしては広告以外でのブランド認知と信頼獲得が必要になってくるので、それをどう言うふうに獲得するのかが気になる。── Tetsuro(@tmiyatake1



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