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D2Cのアウトソーシングを加速させるコマーススタック

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2023年4月17日配信 Vol.111より

Briefing

これまでスタートアップの成功法則は「垂直化によるプロダクトの改善」だったが、D2Cはむしろアウトソーシングを増やして、自分たちの強みに注力すべきなのではないかと多数のリテールテック企業へ投資しているEqual Venturesはブログで語っている

たとえば、 Equal Venturesは実店舗の出店を支援するサービス「Leap」に出資している。Leapを使えば出店場所の選定や交渉から店舗のオペレーションまですべてアウトソーシングできる。その分、浮いたリソースを自分たちの強みにフォーカスすべきというわけだ。

さらに彼らは余剰在庫の管理型マーケットプレイス「Ghost」にも投資しているほか、「新しいコマーススタック」としてホールセールプラットフォームの「FAIRE」や、リコマースサービスの「Trove」など、8つのサービスの名前を上げている。

Equal Venturesのブログ「The Unbundling of Retail」より

興味深いのは、あげられた8つのサービスのうち、Shopify以外は在庫や店舗などフィジカルなものを扱うサービスである点だ。これらの領域は非効率な部分も大きく、資本力のある大企業に比べてD2Cが競争力を持ちづらい分野だ。しかし例に挙げられているようなサービスが成長し、D2Cが業務をアウトソーシングすることで効率化できれば、大企業と同等の競争力を持てるのではないかと彼らは期待しているという。

今後D2Cブランドが顧客体験を高めていくために店舗や在庫管理など、フィジカルなものを扱う必要性が高まるなか、こうしたRaaSの盛り上がりによって業界全体の知見やデータも集まり、より最適化していくと予想される。大企業のような資本力を持たない新興ブランドこそ、すべてを自分たちで抱え込もうとしすぎず、「Unbundle(切り分ける)」する考え方が重要となっていきそうだ。

Podcast

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小売のアンバンドル化 / D2C業界の時代の変化 / アウトソーシング / リテールテックのインフラスタック / リアルな所に投資したときに大企業に勝てない / アウトソーシングした先に残すべき非効率なこだわり etc…

News

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