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コロナで可視化された1つが東京のテロリスク

なんだか最近凶悪犯罪が増えてきた気がするのですが、それでも犯罪白書が刊行されてみると、2021年度の犯罪検挙数は2019年以前より少なかったりするんでしょうね。
それでも京王で油撒いて放火や刃物斬りつけだとか、焼肉店立て籠りなんて言うのはインパクトがあるんで、そうした報道を聞くとやっぱり「犯罪増えたな」と思ってしまう。
まぁそこは今回の主題ではないのですが、京王線でのテロ行為にしても(敢えて通り魔ではなくテロと呼ばせていただきます)焼肉店立て籠りにしても「九州から上京して犯行に至った」わけであります。
確か京王線内テロ犯は福岡県、焼肉店立て籠もり犯は長崎から東京に来たわけですね。

🗼東京のテロにおける生産性の高さ

それにしても何故わざわざ上京してから犯行に至ったんでしょうかね。それは当の本人達にしかわからないことかもしれないけど、やっぱり一つには東京でテロを行う生産性の高さって言うのはあります。

かなり昔に書いた記事ですが、この時って言うのは韓国との緊張も一気に高まった時期で、ちょうど前月に哨戒機レーダー照射事件で揉めてた時です。
「韓国海軍艦艇を撃ち落せ!!」という声も大きかった頃で、下手すりゃ日韓開戦も可能性として「ゼロでは無かった」と言うところですかね。
一方、その頃の新宿では大成建設の大きなプロジェクトが動いていたということになります。
とりあえず菅政権に移行してからは日本側のナショナリズム運動が弱まってきたこともあってか、取り合えず周辺国との目立った揉め事は無いように感じられますが、ともかく2019年前期までは対外脅威論が盛んだったわけです。
「対外脅威があるのに何故東京一極集中を解消しないんだ」という疑問を呈したのが上の記事でして、かつ私が23区で働きたがらない理由の一つがテロリスクでもあります。
京王線のジョーカー男にしろ、焼肉店立て籠もり男にしろ、単純に20人程度を殺害するなら福岡市内でも充分だったはずです(焼肉店の方はそもそも人を殺す気自体が無かったのではないかと思いますが)。わざわざ東京まで来る必要はないんじゃないでしょうか。
それでも東京まで来たのは、無自覚にも首都でのテロ活動における生産性の高さというのを感じていたからでは無いかと考えております。
東京での生産性の高さというのは何も殺人そのものの効率だけでなく、マスコミや世論に対する広告戦術としてもインパクトを出せるという意味でも有効だということです。
現に京王はジョーカー男事件を受けて、テロ・災害対策担当の設置を決めました。

🚄通勤電車の自爆テロには対策が無意味

しかし、京王のテロ対策班が全ての車輛を巡回できるわけではありません。京王ライナーと一部区間の特急列車が対象になっているだけです。すべての車輛をカバーするのは物理的に不可能なので、着席サービスにお金を払ってくれる人達と一部の特急列車に対象を絞らざるを得ないのです。
監視カメラ設置の動きも進んでいますが、では監視カメラでテロを防げるでしょうか。これは不可能に近いと言えるでしょう。
そもそも自爆テロ(死刑を望んでテロを起こす者も含む)に効果的なのはカメラではなく、巡回による監視しかありません。
日本の新幹線史では2回テロが起きていますが、東海道新幹線にしろ九州新幹線にしろ、ほぼ全員が着席できる状況にあるのは大きいです。人による巡回が容易です。特に東海道新幹線の場合、のぞみ1編成には警備員が2~3人はいますし、これとは別に車掌業務を兼ねる社内販売員もいます。なので東海道新幹線区間における、のぞみ、ひかり号は意外と隙は少ないです。
反面、通勤電車というのは隙だらけ。そもそも満員電車になってしまうと車掌の巡回はできませんし、満員でなくとも車掌が巡回できるのは後部車輛のみです。先頭部分は隙だらけな状態になります。
そして自爆テロ目的の輩に対するカメラ監視だけではほぼノーガードと同じです。よってテロを防ぐことが出来ません。
更に首都圏は京阪神と違い、鉄道会社毎に独占エリアがあって、競合区間が少ないことも鉄道テロの生産性を高めます。京阪神は阪急とJRの競合区間が長かったり、それ以外にもJRの路線はどこかしら京阪や近鉄、山陽電車との競合区間が存在します。
一方、東京はJRと私鉄が競合する区間は品川ー横浜間の東海道本線と京急くらいじゃないですかね。まぁ京成と総武本線がところどころ競争する区間がありますが、京阪神と違い、関東は鉄道会社の棲み分けが進んだのです。
ここに3800万人が過密する都市圏であることもあり、1つの電車を止めるだけで万人単位の人間に多大な迷惑をかけることができます。
非常にテロを行うことの生産性は高く、自爆テロに対するカメラのみの監視など全く効果はありません。

🗾Iターン支援を拡大して地方への人口分散を

まぁ憲法改正して本格的に自衛隊が武器を取るようになったらという想定で昔書いたものですが、そうでなくとも中台有事が起きたら日本は巻き込まれる恐れもあります。そうならないことを祈りたいですが、中台にしろ日本にしろ、ナショナリズムの機運が強まると戦争に進むことは有り得ます。
ここんとこ私の保有株(主に川崎重工)の株価上がってるの、そのせいじゃなかろうなとか勘繰るのですが、ともあれ、日本が日台有事に巻き込まれるとした場合、沖縄と東京の二か所のリスクが各段に上がるんじゃないかなと思うわけです。
そのため、国としては出来るだけ東京から地方への人口移転を促し、個々の企業では東京のバックアップ機能を複数の都市に持たせた方が良いということになります。
ちょうど私も転職で内定貰って京都に行こうとしているわけですが、東京のテロに対する脆弱性は、改めて可視化されたんじゃないかなと思います。
言うて「お前の転居する京都でも充分テロリスクあるけどな」と言われてしまったら「そりゃごもっとも」な話ではあるんですが、それでも「無差別テロ」に遭うリスクは東京に比べると、グッと少なくなるんじゃないかなとは思います(とは言え京都市の治安自体はあまり良い方では無い)。
まぁパリ同時多発テロが起きた時に、何となく東京のテロリスクの高さは意識してました。それから6年経って正夢になったというのが私的感想です。
こうした事件を機にというわけではないけども、この2年で何が起きたかということを振り返りながら、東京脱出プランを検討しても良いんじゃないかということを、ご提案いたしたいと思います。

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センチュリー・大橋
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