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DXを見据えた中小企業の情シスの働き方

デジタル・トランスフォーメーションはブームにこそなっていますが、恐らく現在の日本で本当にデジトラに取り組もうとしてる組織は、そこそこ以上の大きな組織に限られるんじゃないかと思ってます。
残念ながら中小企業の6割がゼロ情シス、ひとり情シスと言われており、或いは情シスを置いている多くの中小企業でも、大半は兼務であるということが分かっているわけです。
で、いくら「DXが出来ない組織は未来が無い!」と言ったところで、その未来の為にかけるリソースって言うのが限られてる中で、いくらIT再度の人間が鼓舞したところで、中小企業は「それどころじゃないんだ」と答えてしまうでしょう。
少なくとも大企業とは違い、システム開発にかけるお金って言うのは無いに等しいですし、レガシーシステムどころかExcelとAccessが命!
なんて企業も少なくは無いんじゃないかなと思います。
仕事柄、介護事業者と間接的に接点を持つこともありますが、恐らく介護事業者は全業種の中で尤もIT化が進んでないです。そもそもIT以前の問題としてOA機器に苦手意識のある人も少なくなく、情報資産の取り扱いが杜撰なことも多く見られるのです。
「これじゃ介護事業者としての許可要件すら怪しくなるぞ」と思うレベルの事業者さんも時折見受けられたりして、少なくとも東京と比べると、西多摩の事業者はDXどころじゃない事業者が多いと思います。
こんな事態に対して何か打つ手って無いのかなと思うものはあり、適当に思いついたことを呟いてみたいと思います。

🏢割と暇な客先常駐の運用…Win-Win-Lose-Lose

完全に案件ガチャそのものなんですが、客先常駐の運用職って、割と暇なところは暇なんですよね。
SESの開発案件なんかだと「残業が多すぎて辛い」とか「ハードな割に貰える給料が少ない・・・」なんてことは多いと思います。
対する運用はというと、逆に「暇すぎて辛い・・・」とか「一日の仕事がメールチェックだけで終わる・・・」とか、もゼロ残業なんて珍しくないようです。まぁ実際、今の常駐先にいる常駐メンバー、割と閑職なんですよね。
同じ会社の案件でも「もっと暇だぜ・・・」なんて案件があったりして、何も7時間拘束せずとも4時間程度で作業が終わることもあるわけです。
まぁでもSIerの世界はコレでも客先から1日分の単価をしっかり取るのがまた曲者(そもそも人月単価だしな・・・)。
これってSIerと中間マージン取る派遣会社以外、誰も得しないんですよね・・・。

🚙情シス専任複業出来たら良いと思いません??

これは完全に主観です。
中小企業の情シスにリソースが余裕ないなら、例えば1日3時間ずつ、情シス専任で2つの会社の業務出来たら良いと思いません?
前社は自社ビルで受託運用をしていましたが、この業務も振り返ると1社辺りの業務時間は長くて4時間なんです。或いは1日当たりの作業時間は8時間だけど、処理日が決まっている(月6回とか)なんてものもあって、1日の中で複数の会社の処理をマルチタスクでやるわけです。
こう考えて見るとですね、中小企業の情シスは今後、兼務情シスよりも専任複業情シスでやっていく方向にシフトするとやりやすいんじゃないかなぁって思うわけです。

🚈雇用方式かパートナーシップ契約方式か

思うに、中小企業の情シスはゼロ情シス、ひとり情シスが多く、また兼務も多く、トータルで見るとリソースが無いとなれば、情シス専門に対応できる人間が1人あたり複数社担当できるのが望ましい気がするのです。
と言っても、それはSIerとか派遣という従来の枠組みではなくて、複数社の企業と契約して直で雇用される方式を取るか、あるいはITのスキルに長けた集団とパートナーシップを結んで、巡回、構築、運用をやっていくかってことです。と言っても後者の場合、何となくSIerとやってることが近しくなってしまいそう(てかそのもの?)ですが・・・。
感覚としては、企業と情シスやる人間を橋渡しする会社を作って、そこに情シス担当をする人を登録させとくような感じかなぁ。この辺は具体案があるわけじゃないんで戯言ベースなんだけど、登録者のこれまでの職歴や今取り組んでること、研究してることなんかを企業に見てもらって、特定の人と契約したいなら雇用か嘱託かという内容を当事者同士で決めてもらうとか、インフラ更新・構築やアプリ開発など複数の領域に跨りそうなら会社とのパートナーシップ契約を結ぶとか、そんな感じですかね。上手く言えないけど。

⚓地域特化をするか業種特化をするか

中小企業の情シスを複業でやるって考えた時に、やっぱり「何かに特化して対応する」方が良い気がします。
というのも、大企業と比べると中小企業の場合、ローカル性が高く、或いは業種毎の癖があるんじゃないかなと。
企業毎のビジネスモデルにもよりますけど、地域ごとにある課題に対応できるか、或いは特定の業界経験があって業界知識のある人に情シスをお願いするのか。これに加えて会社ごとの特性っていうのが加わるわけですが、中小企業のDXは大企業のそれとは異なるアプローチが必要ではないかと見ているので、マッチングミスを避けるためにも地域性や業界に特化した方が良いと思うんですよね。
この辺りはどうなんだろう。やっぱり大企業や官公庁ならシステム開発ありきで良いと思うのですが、中小企業はシステム開発するお金が無いわけですから、この点を含めてもアプローチの仕方が大企業とは違うんですよね。
そもそもOA機器が苦手な人が多い会社、業種、地域もあったりして、そんなケースでは開発スキルよりサポートスキルが必要なんじゃないかなと思ったりします。
サポートスキルとなると、単純なIT知識もさることながら、課題発見力や解決力、相手の事情に対する理解力が求められたりして、そんなことを勘案した場合、地域性や業界理解ができるよう、特化した方が良いんじゃないかと見ています。

まぁあれこれ纏まりなく書き綴りましたが、もちろん単なる思い付きを書いてるだけなので、適当に「何言ってんだコイツ」と思ってくれていいです。
ただまぁ、DXが叫ばれている昨今、日本の会社の大部分を占める中小企業を置いてけぼりにしないために、これまでとは異なる情シスの働き方や、中小企業に対するサポートの構築が必要には、なるのではないでしょうか。
昔と違い、今はクラウドサービスなんかも充実してきました。必ずしもシステム開発をしなければならないわけでもなく、CRMやKintoneの導入で対応できることも多いかもしれません。
そうした製品知識も持ちながら、最適な解決案を出せる情シスと企業の結びつきが出来ると良いですね。

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