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(デザインの裏側)愛知県瀬戸市の職人と取り組んだTrace Face(トレースフェイス) ができるまで

愛知県瀬戸市の職人と取り組んだTrace Face(トレースフェイス)のカップ。
アランニット模様を意識してニット素材のテクスチャを陶器のボディに表現したその開発過程をウチのデザインスタッフから取材した内容を少しご紹介します。

出会いと開発の経緯は↓

今回は進めていく上で「洋」と「和」の調和ということを意識し、
まずはじめにフォルムを洗い出しました。

左が、iittala teemaを感じるようなストレートでシンプルな洋風テイストなもの。
右が、民芸品にもあるような、いわゆる湯のみ。

どこか和風に感じるもの。カップの高台部分(カップの底部分の形状。見出しの写真部分)があるかないかで左右されることが多いです。ですがニットの袖部分を意識するために、そのどちらにも感じることができるギリギリのラインで設計しはじめました。(そば猪口形状だと袖口に見えないので)

カップとしての使用感を損なっていないか、バランスは悪く無いか、持った時にしっくりとくるのか、ということを頭に置き、型作りはスタートしました。

次に、Macの画面上で画像の合成を施し、さまざまなテクスチャを当ててみて、
様子を見てみます。留意点としては、細かな技術を感じる素材か?ということ。
職人さんの技術を最大限に活かせる表現に仕上げることが求められます。

ここでショップなどの市場にリサーチをかけます。
同時にカラーバリエーションもこの状態で色々と確認作業に入りました。

で、ニットの柄は決定したのですが、どうしてもニットだけでは、夏の売り場にははまりにくい…ということから、冬の「ニット」と夏の「ラタン」という2つをチョイスしました。

版下に展開して、製造を開始します。いくつもいくつもひたすらニット柄のサンプルを作って、彫りの深さや、型の繋ぎ目を直して、ようやく形が完成です。

最後に、釉薬のかかり方を調整します。せっかくの細かなテクスチャーが、釉薬をかけると緩い感じになってしまいました。しかし、釉薬を塗らなければ、汚れが付きやすくなってしまう・・。(※写真左が素焼きの状態、右が通常の量の釉薬をかけた状態。)質感が思った以上に良くないなと。ということで全く釉薬をかけずに仕上げることにしました。(業界的にはそういった仕上げはしないそうですが)

カラーバリエーションも外側に釉薬で色をつけるのではなく、カップの内側に色を付けることで、上記の問題点の解決と、上質な雰囲気をもったままTrace Face(トレースフェイス)のカップが完成しました。

ぜひ質感を。

富山の時計メーカーさんとこの原型職人さんがコラボレーションしたニットの時計もあります。ぜひ。


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