見出し画像

旅慣れない旅人のウズベキスタン旅 [2]ヒヴァ

 シルクロードの終着点、ウズベキスタン。2018年、優しくさといウズベキスタンの方々に助けられ、忘れられない思い出がたくさんできました。
 タシケントを離れ、次に向かったのは美しい古都、ヒヴァ。

博物館都市、イチャンカラ

 1世紀にはすでにオアシスとして町が成立していたヒヴァですが、16世紀にはヒヴァを新都とする国が興り、首都として急速に発展。イチャンカラと呼ばれる城壁の内側に、たくさんのモスク(イスラム教系の寺院)やミナレット(塔)、マドラサ(神学校)が集積するイスラムの聖都になりました。現在もたくさんの中世そのままの建造物が残り、世界遺産にも登録されています。

美しいターコイズブルーの屋根が輝く

 遠くからでも、日干しレンガとたくさんのブルーの対比に心躍り、イチャンカラへ入城。海外からの観光客もいますが、あまり混雑することはなく。内城の内側にはたくさんの土産物の商店や屋台が並びます。

奥には、ランドマークのカルタ・ミナルが。

 これぞ中央アジア文化、と思うようなかわいい刺繍の施されたカバンやポーチの布製品に目映りします。

 ランドマークのカルタ・ミナル。1852年に、中央アジア一の塔をたてようと着工するも、26mの高さで建設がストップ。とはいえタイルに覆われた美しい姿が目を惹きます。

近づくと、タイルの大きさがわかります。これを一枚ずつ手ではっていたのか・・。
ワライバトかな?日本では見れないハトです。ウズベキスタンではそこら中にいます。

 イチャンカラは縦横約500m、半日ぐるぐると歩くと全体の地図が頭に作れるぐらいの広さ。規模や観光地感が、飛騨高山の「古い町並み」に似ているような。海外旅行レベル1の初心者には最適な場所で、旅慣れた友人と分かれて一人で歩き回っても安心して楽しめました。

 砂漠性の気候、滞在中は青空が続きました。日本では感じることのない、直射日光が強烈。

青い空、まだ5月なのに暑かった
屋根下は爽やかで気持ちいい
アイスが冷たくてしみる

 昼頃はあまり歩き回らず、ゆったり屋内を見学させてもらいます。

パフラヴァン・マフムド廟。美しい。
内部がマーケットになった建物もあります。
ジュマ・モスクの内部。天窓から射す日が神聖な雰囲気に。

 夕方になり、影が伸び始めたことを確認するとまた屋外へ。町並みを見下ろすために、ひときわ高く目立っていた塔を目指します。 

イスラム・フッジャ・メドレセのミナレット
かなり狭い塔内をぐるぐると登った先に
この景色・・・!感動でした。

 塔から降りると、すっかり夕方に。レンガ色の街がさらに夕映えに。

 夜、ライトアップされる姿も美しい。

カルタミナルの横は、昔のマドラサ(神学校)、現在はホテルに。
この日は満月でした。

青いタイルの魅力

 ウズベキスタンでは、見上げることが多くなります。古今東西、栄華は天井を飾りたがる。

カルタ・ミナル。釉薬タイルに覆われる。

クフナアルクは17世紀のハンの住んでいた宮殿で、ひと際豪華なタイルを見ることができます。

入口
クリヌッシュ・ハナ。王座の間 ※19世紀に再建されたもの
七宝タイル

 こちらはトシュ・ハウリ宮殿。キョフナアルクから移転した宮殿。

天井まで美しく彩る。赤貴重になるのもまた特別感が強い。
王の間

 パフラヴァン・マフムド廟の天井。繊細な模様の彩釉さいゆうタイルに覆われた空間。

彩釉さいゆうタイルとは:
表面に釉薬ゆうやくを施したタイル。古代から現代まで、建築の内外壁、床や天井などの装飾に広く用いられ、またストーブや家具、調度類の外装にも利用される。

日本大百科全書(ニッポニカ)

 美しい青いタイルですが、それぞれ使われた建物の目的や時代を映し、コバルトブルーからターコイズ、エメラルドなど多彩な色づかいでした。

旅はドレスアップする非日常だった

 ヒヴァには国内旅行で訪れているウズベキスタンの人達も多く、とくに色とりどりにドレスアップした少女たちにたくさん出会いました。
 囲まれて一緒に写真を撮ろう、そしてそのカメラでも撮ってと言われます。欧米系の旅行客もいましたが、彼らも取り囲まれていました。とにかく”外国人”が珍しいみたい。

 純粋な笑顔で嬉しそうに集まってきてくれるので、嫌な気持ちにもならず、驚くほど何度もセルフィーしました。彼女・彼らのInstagramに平たい私の顔がアップされたのか?ちょっと嬉しいような恥ずかしいような。

カジュアルな恰好の方もいますが、"よそゆき"の服装の方が多い。
みんなほんとに素敵なドレスだ

 普段、ほとんど人の写真を撮らないのですが、この国ではついつい撮らせてもらうことが多くなってしまいました。

いい笑顔をありがとう

 昭和の日本の映像では、旅先にスーツで訪れる男女が映っていたことを思い出しました。旅に行くことが稀だと、おめかししたくなるのが人情なのか。いつもコンパクトな荷造りばかりに執心していたけれど、たまにはおめかしする旅もいいなぁと思ったり。

ロシア的荘厳さが残る宮殿

 イチャンカラから出て徒歩10分、20世紀初頭に建てられたヌルッラバイ宮殿があります。イチャンカラが中世のイスラム文化を体感する場所でしたが、こちらは帝政ロシアを感じる宮殿。

外観はイスラムっぽさが強いのですが、

 一歩中にはいると、異世界ファンタジーのようなお城・・!

他にお客さんがおらず、館内を付きっきりで案内してもらえました
これぞシャンデリア
天井の素晴らしさは、イチャンカラ同様

 イスラムと帝政ロシアの美観が融合するとこんな・・夢のような空間になるのか・・

王が休む部屋(たぶん)

 中庭に出ると、外観同様にヒヴァのまちなみに溶け込むイスラム洋式の雰囲気。気候的にもこれがベストな作りなのでしょう。

 この後、お土産もたくさん買い込んでしまいました。

 イチャンカラが見ごたえあるので、城壁外を見落としがちですが、ここも世界遺産に登録された宮殿なので、忘れず訪れてほしい。

少し旅人レベルが上がったかな?

 タシケントで友人と二人でバタバタと移動するだけでしたが、今回のヒヴァはしっかり観光。二日間の滞在のうち4割は友人と別行動で、それぞれ見たいもの、食べたいものを楽しんでいました(ケンカしたわけでなく、日本にいた時からお互いそういう付き合いなのです)。
 友人と違って私は海外慣れしていなかったのですが、英語も通じない場所を一人で動きまわったおかげで、ちょっと旅人レベルが上がった気がしました。

ヒヴァの朝。商品を運び込むところでしょうか。
イチャンカラの外側には、普通の暮らしがありました。

--

 静岡に移住する直前の、無職時代に訪れたウズベキスタン旅行の記録です。2018年初夏、タシケントからはいり、古都・ヒヴァブハラサマルカンドと有名な都市を巡って、最後にタシケントから日本へ、5泊6日の旅でした。今回はヒヴァに滞在した二日間について書いています。

 この旅が素晴らしいものになったのは、間違いなく、誘ってくれた友人、一年前にウズベキスタンを経験済みで背中を強く押してくれた別の友人、その友人の紹介で現地で様々にアシストしてくださった友人の友人、そしてウズベキスタンで出会った素晴らしい人達のおかげです。

 しばらく不定期でウズベキスタンのことを書いていこうと思います。前回の記事はこちら。


この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?