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宇多田ヒカルの曲を好きになることが大人の証明

日本の音楽番組に初めて出演した彼女は「Automatic」という曲を披露して大ヒットを飛ばした。Americanizeされた歌い方、リズム、オーラ、今までの女性ボーカルとは何かが違う。

魅了される人が多い中、放送を観ていた私の気持ちは正反対に在った。可愛い声でたまに強気な曲も歌える浜崎あゆみ氏の感情に浸れる所が好きだったから、苦手意識を持ったのかもしれない。
彼女は洋楽の雰囲気を帯びていて声は低く、一定を保った冷静な大人の女性に映る。
同じく声の低い女性ボーカルでも矢井田瞳氏はパワフルでオープン、鬼塚ちひろ氏は深海の奥を覗いてる感じがした。

宇多田は造形美。収まり具合いが良過ぎる。

上記の理由で(精神面が成熟している)大人が好きになる曲=宇多田ヒカルの曲という図式が、私の中に出来上がった。完全に偏見である。
でも、……あ!これはいいなと思う曲が直ぐに現れた。
『traveling』だ。

PVがアートで、歌い方もメロディも彼女に対するイメージが一気に飛び抜けた。
次にハマった曲は、切なさを帯びている『SAKURAドロップス』。彼女のデビュー前から存在するJ-POPの雰囲気を纏っているようで聴きやすかった。

「SAKURAドロップス」を収録したアルバム『DEEP RIVER』をレンタルしてみて「Letters」「Simple And Clean」も好きになり、その後、他の曲も気に入って聴いたが、今思い返せば何となく大人かぶれの真似事が好きなだけだったことに気付いて笑える。背伸びをしていたのだ。


もう1つ、彼女の新曲を聴いて納得した。

普段聴いている音楽からは自然に、可愛い曲、可愛い声が離れていた。低い声の女性ボーカルを好む傾向。10代から引き摺っていた偏見が消え、受け入れた。そういう意味では宇多田ヒカル氏の曲を、歌い方を、声を好きになることが、やはり私にとって大人の証明だったのだ。

2021.5.22【追記】
宇多田さんの音楽はイギリス系だと判明しました。なんというミス(笑)

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