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Aldebaran・Daughter

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ファンタジー小説『Aldebaran・daughter(アルデバラン・ドーター』
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#恋愛小説

Aldebaran・Daughter【執心篇1】瞼を閉じて淀みの花を啄む

Aldebaran・Daughter【執心篇1】瞼を閉じて淀みの花を啄む

 遺跡で話を聞いてから、九日目の朝を迎える。

 最低限の防具は揃った。
 エリカには鎖骨の辺りから腹部までを防御する胸当てと、肘の手前まで長さのある手袋を。
 バルーガには見習い騎士に支給される物と遜色ないベスト、ブーツ、ガントレットの三点セットだ。
 どれも革製だが、耐久性はまずまず良い。

 オリキスは追加で、エリカが履いているブーツとバルーガの新品ベストに、妖精語の呪文を縫い付けることにし

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Aldebaran・Daughter【閑話】変容する眼

Aldebaran・Daughter【閑話】変容する眼

 渦の下見を終えた日の翌朝。オリキスはエリカの家で、二人に回復薬の作り方を教えることにした。
 三人は台所へ集まり、道具と素材をテーブルの上に並べる。

「君のご両親に感謝だね」

「お役に立てて嬉しいです」

 バーカーウェンにある素材を使った回復薬の調合レシピも、翼竜は書物に残してあった。

『これを読めた君は、資格のある者だ。
 何の?と。
 わかっているだろう?』

 早く遺跡の試練に合格

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