記事一覧
F.クープラン「クラヴサン曲集」プログラムノート第2オルドル その1
続きを始める前に最近目にした新情報(未確認なのだが)を書いておこう。ヴェルサイユ宮殿所蔵、作者不詳のクープランの肖像として伝わっていた絵画(タイトルの画像)の成立年代が、どうも今まで考えられていたより古いらしいのだ。つまりこれはフランソワでなく彼の父か叔父のものではないかというわけである。確かにもう一つの銅版画の肖像とあまり似ていないなー、と前から思ってはいたのだが。。。
第2オルドル
F.クープラン「クラヴサン曲集」プログラムノート第1巻第1オルドル その2
前回予告の舞曲の総括的なものは第5オルドルの後に書くことにしました。第4オルドル以外全ての前半部はフランス組曲形式ですので、巻の最後にまとめてみたいと思います。では第1オルドル後半戦!
一転して同主長調のト長調で開始するが、その後の曲は長調と短調が入れ替わる。1曲の中、前後半で変わるものもある。固有名詞など表題付きのものが11曲、うち2曲には舞曲表記が見られる。
「Les Silvains シ
フランソワ・クープラン「クラヴサン曲集第1巻」プログラムノート(第1オルドルその1)
大変気ままではありますが、第1オルドルから少しづつ個人的なコメントのようなものを不定期に書いてみたいと思います。解説、分析などという偉そうなものではなく、もう少し気楽な短いものを考えています。10年以上前になりますが、都内のある個人スタジオで1巻から4巻まで順番に、「生演奏付き」全曲解説セミナーを4年にわたって開催しました。演奏は私自身での他、国内、海外在住の多くの邦人の方々にお願いしました。聴
もっとみるフランソワ・クープラン「クラヴサン曲集第1巻」への序文邦訳
1713年第1巻への序文の邦訳は今まで幾つかありました。出版されたものとしては1977年に音楽之友社から発行された佐藤峰雄訳『クラヴサン奏法』内の45ページに掲載されています(現在絶版ですが図書館などにあります)。他にもネット上に見つけられるでしょう。最新の英語訳は2016年ベーレンライター社の新全集(BA10844)のXXXVIページ、Peter BLOOM氏によるものでしょうか。今回クラヴサン
もっとみる