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位置エネルギーに変換する蓄電池

ちょっと小ネタみたいな話です。
再生可能エネルギーに世の中がシフトしつつありますが、そこで今でも課題なのが、

 「再生可能エネルギーは、常時安定した発電をするのは難しい」

というのがあります。

太陽光発電は、太陽が照っている日中は発電できますが、夜は発電できません。
風力発電は、風が吹いていれば発電できますが、吹いていないと発電できません。

そこで重要になってくるのが、蓄電池です。
最近は「長期エネルギー貯蔵技術(LDES)」(「えるです」と読みます)のように長期間電気を保存できる技術開発が注目されれています。(この詳しい話はまた別の機会に・・・)

端的言うと、今の蓄電池の問題は「長期間、電気を貯めておけない」というものです。

裏を返せば、長期に貯める事が出来ると何が出来るようになるかというと

  • 昼間で太陽光で発電して貯めた電気を夜に使う

  • 先月貯めた太陽光と風力で発電した電気を今月使う

  • さらに言えば、夏に貯めた電気を、冬に使う

とかが可能になります。

さて本題です。

今回は半分小ネタなので、直感的に見てください。

この動画はEnergy Vaultというスイスの企業なのですが、面白い蓄電池を開発しています。
これは、電気エネルギーを位置エネルギーに変えて蓄電するというやり方です。
(物理が得意な人はこれだけで理解できると思います)

こんな流れで、蓄電・発電します。

  1. 太陽光発電や風力発電をした電気をEnergy Vaultの建物に送ります。(送電)

  2. その電気を使って、建物の1階にある"重り"を最上階まで持ち上げます。(蓄電)

  3. そして、電気が必要になったら、最上階にある"重り"を落とします。(発電)

  4. そうすると、落とす事によってエネルギーが生まれるので発電します。

と、いう感じです。

高校物理で習った知識だけで出来る単純な仕組みなんですけど、
最初知った時「あ、その発想なかったわ」と思ったのと、
「まだまだやれる事はいっぱいあるなぁ」と思った視点がシフトした事例でした。

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