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多年草の穀物で作ったビール

"炭素の固定化"って聞いた事ありますか?

地球温暖化の原因の1つとなっているのが、過剰に二酸化炭素が大気中に放出される事です。

じゃぁ、その二酸化炭素はどこからやってきて大気中に放出されたかというと、単純に考えると「大気中以外」からやってきたという事になります。

「大気中以外」っていったいどこでしょうか。
それは土の中(地中)だったり、樹木の中だったり、海の中だったりします。

それらを掘り出したり、燃やしたりするから、大気中に二酸化炭素が放出されるというわけです。

一番有名どころで行くと化石燃料ですね。せっかく土の中で留まっている(固定されている)のに、大気に大量に放出させちゃっているから、「化石燃料を使うのをやめよう!」という話になっています。

木も、木の中に炭素が構成されているので、そこで炭素が固定されていますが、燃やされる事によって、大気中に放出されます。

あと、土を耕す事によっても、土の中にあった炭素が大気中に放出にされます。

このような事の逆をやる事で、炭素をどこかに固定しておく、または固定しにいく事を「炭素の固定化」って言います。

ここから少し「畑」の話をします。
植物には大きく分けると「一年草」と「多年草」があります。

一年草は、春に発芽し、夏に成長して花を咲かせ、秋に種子を作って一生を終える植物です。ヒマワリやコスモスなどが一年草になります。

多年草は、2年以上にわたって生き続ける植物です。毎年、地上部は枯れても地下の根や茎は生き残り、翌春に再び芽を出して成長します。繰り返し花を咲かせ、種子を生産します。チューリップやラベンダーなどが多年草になります。

では、「炭素の固定化」という観点で「一年草」と「多年草」を比較してみます。

「一年草」は毎回畑を耕す必要があるので、耕す際に二酸化炭素が放出しやすくなります。(詳細は割愛)

一方で「多年草」は、根を張り続けているので、耕す必要がなくなり、二酸化炭素の放出が抑制されます

これのビールを作る為の麦(穀物)の話が、今回の本題です。
(ここまでが長かった・・・)

ビールの原料である麦は、一年草です。一年草なので、毎年耕し種を巻き、育てて収穫します。なのでビールを作る際の麦は炭素を固定する事が出来ない穀物なんです。

それで「多年草でビールは作れないのか」という事で、かの有名なパタゴニアさんがそんなビールを作りました。

パタゴニア渋谷店にて

「地球を修復するビール」と掲げて「ロングルート」のブランドで提供しています。

その多年草の穀物ですが、「カーンザ」という穀物で、根っこが3.6mくらいになります。(なので、パタゴニアにビールにブランド名が「ロングルート」なわけです)

このように植物を使ったプロダクトを作る際に、同じプロダクトを一年草ではなく多年草で作るという事も選択肢として有効になります。

もちろん、シンプルに全て多年草にすればOKと一概に言える話ではなく、デメリットもあるのですが、このような工夫をしたり、視点の変更をする事を考えさせられる良い事例だなと思います。

<カーンザのさらに詳しい話はこちらから>


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