【T-Bs】異様な雰囲気、狂った勝負師
昨日の試合と同じく、日本シリーズ第4戦は9回裏まで決着が分からない好ゲーム。ただ昨日と違ったのは阪神のサヨナラ勝ちということか。これで日本シリーズはまたもタイに。今回は、そんな試合を振り返ることとしよう。
ミス連発、甲子園に呑まれた猛牛軍団
守備位置を大きく変えても、連携プレーが素晴らしいはずのオリックスらしからぬ守備のほころびが見られる試合であった。暴投と失策がそれぞれ3つずつ。犠打の失敗で勝ち越しを逃してしまうというプレーもあった。やはり、こうした初歩的なミスが出てしまうとここ一番で差がついてしまう。この試合のサヨナラ負けも、案の定である。
やはり、オリックスナインが甲子園という球場に呑まれてしまったのだろう。やはり、野球の聖地と言われるだけあって雰囲気は独特。一球一球にどよめきが起こり、ビジターの球団がミスをしようものならウグイス嬢の声が埋もれてしまうほどに盛り上がってしまう。やはりこれは牧歌的なパ・リーグの球場にはない雰囲気であり、オリックスが公式戦を甲子園で行うのは2年に1度ということもありこの雰囲気に慣れていなかったのだろう。あれだけ京セラドームでは勇ましかった猛牛軍団が、出荷を前にした子牛のように見えてしまった。
「中嶋監督、満塁策失敗!」
上記の見出し文を一言一句間違えずに、実況のアナウンサーが言ってしまったことが問題となっているが、これは本当にこの通りとしか言いようがない。9回の裏、甲子園の雰囲気はパ・リーグを3連覇した知将をまでも呑み込んだのだ。
そんな勝負が決まった9回裏、オリックスは昨季の胴上げ投手であるワゲスパックを立てて延長戦へと持ち込もうとした。しかしながら制球が定まらない。その上相手はセ・リーグでも選球眼がトップクラスの阪神ということもあり、140キロ前後の落ちる球をことごとく見送られる。ボールカウントが嵩む事に阪神ファンのボルテージも上がり、それと反比例するかのごとくワゲスパックの制球力も破綻していく。ついに近本光司を四球で歩かせ、続く中野拓夢の打席では2つ暴投を犯してしまい、歩いた近本が棚ぼたで3塁へ。カウントは2ストライク3ボールと一応ではあるが追い込んでいた。しかしながら中野を敬遠。僕は最初、中野が左打者なので相性を考えて右打者の森下翔太と勝負するのかと思いきや、その森下までも敬遠と意味のわからない采配に。そして勝負を選んだ大山悠輔は不調とはいえ阪神の四番打者ということで、最低限の打撃はできる。その最低限の軽打が最高の結果となったのだ。まさに甲子園の魔物が出た試合であった。
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