見出し画像

ポスティングについて

 先日、海外FA権を行使してニューヨーク・メッツへと移籍した千賀滉大が「数年前からMLB移籍を訴えていたが、球団にポスティングを受理して貰えなかった」という趣旨の文章をTwitterで公開したことにより、ソフトバンクが大いに批判されている。今回は、なぜソフトバンクがポスティングシステムを渋るのかを考えよう。 

最悪のシナリオは「Uターンで他球団へ」

 一昨日、ソフトバンクは千賀に代わる先発投手としてテキサス・レンジャーズを戦力外となっていた有原航平を獲得したが、これこそがポスティングを渋る最たる要因なのだ。

 ポスティングの利点は若く脂の乗った時期にMLBへと移籍できる点だ。しかし、有原のように鳴かず飛ばずの状態が続き数年でNPBへと戻ってきて、それも同一リーグの他球団となると驚異となるのだ。今回の有原はまだまだ肩の病み上がりということもあり、来季から直ぐにエース格として働くことは難しいだろう。しかし、ロッテからミネソタ・ツインズへと移籍し、数年で帰国した西岡剛は違うリーグながら阪神のレギュラーとしてチームを日本シリーズへと導く活躍を見せた。これがもしも、同一リーグだったらと考えると、ロッテファンの方々は非常にヒヤヒヤするのではないか。言ってしまえば、「時差のある無償トレード」になりかねないのだ。

 ポスティングを認めるか否かは球団の権利。これでソフトバンクを批判している人達はあまりにも「選手ファースト」が過ぎるのではないか。

僕が思うポスティングのあり方

 まず、今回の有原のようなことを避けるために、ポスティングでMLBへ移籍した選手は一定の期間、もしくは一定の年齢になるまでNPBに籍を置くことは出来ないというルールを作ってはどうか。NPBのルールで2度目のFA権を獲得出来る4年という数字に揃えるか、もしくはキリよく30歳までと決めるといいのではないかと思う。

 もしくは、移籍先のMLB球団から人的補償を1人獲得できるというルールをつけてもいいのではないか。ぶっ飛んだアイデアとバカにされてしまうかもしれないが、やはりこういった移籍は対等な関係があってこそである。ただ、いずれにせよNPB側が片手団扇で「さあ、行ってらっしゃい」と言えるようになった時こそがMLBに追いついた時なのだ。現状、それが不可能であるということはやはり両リーグにはまだまだ力の差があるということだろう。

最後に

 MLBへのスター選手流出はNPBの人気低下に繋がるが、「挑戦」という言葉が使われず、単なる「移籍」のようになった時こそがNPBとMLB間の実力差が亡くなった時と言えるだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?