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中日が獲得して欲しいドラフト候補【投手篇】

 少し前に、野手のドラフト候補をチェックしたが今回は投手篇だ。とはいっても、六大学野球のスター選手や、昨今話題となっている日体大の二刀流選手の矢澤宏太はもちろん中日の有力候補ではあるものの、関東にお住まいの熱心な大学野球ファンが素晴らしい投稿をしており、僕はそれの足元にも及ばないと思ったので、今回は地元の愛知大学野球連盟の好投手と高校、社会人で目立った投手を複数人紹介する。

長谷部銀次(トヨタ自動車)

 立浪和義監督が熱望する、「即戦力の左腕」というとこの投手ではないか。中京大中京高から慶応大、そしてトヨタ自動車と高学歴ならぬ高球歴があればそれにあたる投手だろう。

 150キロ近い直球もさることながら、この投手は実にスライダーがいい。実績は少ないので、中位指名での獲得ができるのではないか。フォームもザ・左腕投手と言った感じのしなやかな綺麗なものであり、阪神の岩貞祐太のような先発、救援のどちらでも活躍することができる投手になると予想する。懸念すべき点は24歳と決して若くは無い年齢だが、それを加味しても名門で荒波に揉まれた経験から獲得して欲しい選手だ。まさに立浪監督のいう「厳しい環境で育った選手」だろう。いわゆる社会人野球のプロテクトに入っていなければ、必ず指名して欲しい選手だ。

林優樹(西濃運輸)

 いわゆる「金農旋風」の時、吉田輝星が率いる金足農業高にツーランスクイズを決められた時にマウンドにいたのがこの林である。当時は130キロ前後の球速であったが、社会人野球で急成長を遂げ最速を147キロまで上げた。

 林の武器はやはり度胸。チェンジアップをストライクゾーンに臆することなく投げられるので、守りのうまい中日に非常にマッチするだろう。松葉貴大や、上田洸太郎のような打たせてとる投球ができるのならば、1年目からの活躍の可能性は大である。ただ必ず上位で消える選手なので、不名誉ながらもウェーバー順の高い2位指名で獲得して欲しい。

漢人友也(中京大)

 前述の長谷部は即戦力だが、この漢人は大野雄大や柳裕也のように3年目でのローテーション定着を目標として欲しい選手だ。肘痛とコロナ禍の影響で、大学3年までわずか1勝と実績はなかったものの、大学4年で才能を開花させた投手版のブライト健太のような選手である。

 この選手の魅力はなんといっても靱やかな投球動作だろう。肩甲骨が柔らかいのか、1拍遅れて腕が出てくるようなフォームだ。少し前の投手にはなるが、元中日の河原純一のようなフォームと言ったらわかりやすいだろうか。そのフォームが功を奏してか、140キロ前半の直球で面白いように空振りを奪う姿が非常に印象的だ。ただ、前述の肘痛という古傷を抱えているので、すぐに即戦力とすべきではないだろう。巨人の山崎伊織のように、3年後のドラフト1位を取ったという考えでじっくりと育てると大きく育つのではないか。

秋山凌介(立命館大)

 愛知のアマチュア野球ファンの方には、この選手を覚えている人は多いのではないか。平成最後の夏の甲子園で、愛工大名電高が平成初勝利を飾った世代の背番号1は彼である。

 この投手は152キロを記録する速球もさることながら、カーブやスライダー、ツーシームやフォークと多球種を制球良く投げられる技巧派の投手である。フォームも安定しており、高めに抜ける球が少ないとのことなので球場の広さに関係なく成績を残すことができるタイプの選手だろう。これは広いナゴヤドームでは好投できるが、神宮球場やマツダスタジアムと言った狭い球場では本来のパフォーマンスが出来ない中日投手陣には必要な人材だ。

門別啓人(東海大札幌高)

 今年、札幌には知内高の坂本拓巳とこの門別という2人の超高校級左腕投手がいるが、個人的な好みで彼を候補とした。三振の取れる本格派の左腕投手だ。

 門別の良さはなんといっても直球だ。右打者の内角へズバリと決まるので、球速以上に早く感じるタイプの左右に角度をつけられる選手だ。三振をとる事ができる投手はやはり安定感がある。その時々の好不調は必ずあるだろうが、味方の守備や球場の広さに関係なくアウトを計算できるという所が球数を要しても三振をとる1番の利点だろう。オリックスの宮城大弥のように、身体作りが出来たら即座に戦力として計算できる投手となると予想する。

大野稼頭央(大島高)

 この投手は離島のエースとして選抜大会に出場して話題になったため、下位で残っていたらという考えでは獲得は難しいだろう。石川昂弥以来の甲子園のスターとして、獲得して欲しい選手である。

 大野は話題だけでなく、実力派の超高校級である。今中慎二元中日コーチや、石井一久楽天監督のような球持ちのいいフォームだ。これは前述の長谷部に通ずるものだろう。投球術も彼の長所のひとつであり、打者を嘲笑うかのようなスローカーブで討ち取る姿はまさに匠の技。鹿児島県大会の映像を見ても、高校球児の中に大学生かノンプロの選手がいるような感覚を覚えた。

最後に

 国際大会で不甲斐ない成績に終わったからか、不作とさえ言われた高校生投手のドラフト候補だが、門別、坂本、そして大野と素晴らしい逸材が目白押しなので、ぜひ獲得してもらいたい。ただ、今季のドラフトは即戦力の大学生、社会人を中心に、戦力はあるが層の薄い中日投手陣を変えるようなドラフトをして欲しい。

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