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【第1回】EC未経験者が入社1年で22のモールやカートを経験して学んだこと

Eコマースの世界に足を踏み入れてから、そろそろ5年目に入ろうとしていますが…当然最初は何もわからず、上司に指示されても「そもそも何から手を付ければいいんだよ!(逆ギレ)」という状態でした。

そんな自分でも今では20以上のモールやカートでの受注処理・出品作業を経験し、CSVを巧みに使いこなせるようになり(ちょっと自慢)一括出品から受注データの管理、デザイン・コーディングが出来るようになったので…その経験を、数回に分けて残しておこうと思います。

※第二回の記事はこちら

1.入社して3ヶ月後に事業部が新人3人だけになった

EC業界は未経験だったのですが、元々趣味でHPの作成をやっていた事もありIT業界への免疫はありました。しかし、入社初日から残業を5時間する事になり、1週間後に直属の上司から「3ヶ月後には辞めるから、後はお願いね」と宣告され、肝心な事業部長は3ヶ月後から勤務地が変更となるため「ここには来ないけど、部を頼んだ」と言われ、自分を含め新人3人で事業部を運営することになるとは思ってもいませんでした…。

その頃はEC運営代行(ネクストエンジンの設定など)をやっていたのですが、未経験者がいきなり「一元管理ソフト」と言われても何が何だかわからず…モール?カート?何が違うの?CSV?CMS?CVR?え、なに?とアホの子みたいに首をかしげまくっていた記憶があります。しかしながら、3ヶ月後にはみんないなくなってしまうので「やってやるよ…!」と意地で覚えたのは…本当に良い思い出です(今となっては)

2.劣悪な環境はつらいけど、本気で覚えるには最適すぎた

恐らくあの環境にいなければ、ここまで必死に覚えようとはしなかったと思います。今となっては感謝ですね…そのおかげで、今の自分がいるわけですから。

実際の業務は、クライアントから依頼を受けて一元管理ソフトを設定しつつ受注処理、商品の出品、モールからの商品を移行(楽天からYahooへの出品)というのがメインでした。嬉しいことに、クライアントは多くいたので色々なモールやカートを経験させてもらいました。

その結果、1年で22モール(カート)を経験することとなり…本当に数多くのクライアントのCMSに触れる事が多かったです。その後、3年で1000社を超えるECを運営しているクライアントさんと関わるようになり、気がつけば「Eコマースの魅力」に取り憑かれ、ECお化けとなりました。

そんなECお化けが、各モール・カートの備忘録を以下に残しておきます。比較や特徴についてはあちらこちらで語られているので、運営代行者の視点でちょっと変わった記録を残しておきます。

3.経験したことのあるECのCMS一覧

【モール】
・楽天市場
・Yahoo!ショッピング
・ヤフオク!
・Amazon(.co.jp)/Amazon.com(USA)
---------------------------------第1回ではここまで。
・Wowma!(旧Dena)
・NETSEA
・ポンパレモール
・SHOPLIST.com
・Qoo10
・SUPER DELIVERY
・eBay
・Web現金問屋街

【カート】
・Makeshop
・FutureShop2
・カラーミーショップ
・EC-CUBE
・おちゃのこネット
・Eストアーショップサーブ
・ebisumart
・aiship-R
・Shopify
・たまごリピート
(順不同)

◆楽天市場

とにかく圧倒的に利用している人が多く…1つの会社で複数店舗出店している企業をよく見かけました。1店舗当たりの売上は月間100万前後を7店舗運営している企業もあり「店舗数を増やせば売上は上がる」はまさにこの事なんだろうな、と感じました。

商材はバラバラでしたが、在庫管理に悩まされている企業は「洋服」や「のし」「ギフト」のような商品に項目選択肢(プルダウンの選択肢)を設定している方々で…商品数も3,000アイテム超え(10,000SKU超え)の企業さんが多かった気がします。

ただし、どのクライアントも口にしていたのは「手数料が高すぎる」という事でした。50万前後しか売上が出せず、結果的に出店してから半年で退店するお店も結構ありました。現在では楽天Payも実装され、R-SNSや、R-チャットの導入により更に手数料が値上げとなり、ECにある程度慣れた方が「楽天に出店すれば売れる!」と大きな落とし穴に落ちていく様子を幾度となく見てきました。

しかしながら、CSVの項目はどこのモールやカートよりもわかりやすく、管理画面でしか商品登録などを行ったことの無い方が「CSVを覚えたいんだけど…」と考えているなら一番おすすめのモールと言えます。(自分も最初は楽天から学びました)

カラムが日本語って最高。

◆Yahoo!ショッピング

未だにすごく苦手な管理画面の…ヤフーショッピングです(笑)RMSのように管理画面のアップデートをしてくれたら良いのですが、この記事を書いている時点では5年以上何も変更されていませんね…。

しかしながら、出店手数料・販売手数料が無料であること(Tポイントの原資負担は出店者)から、2番目に多かったモールだと思います。

とにかく、CMS(管理画面)のクセがつよいっ(ノブ風)メルマガをニュースレターと呼んだり、なにか操作をしたら必ず「反映」ボタンを押さないとならなかったり、商品画像のルールは商品コードに紐付けられたり…だいたいそもそも、どこにどんなメニューがあるのか全然わからない!ので…色々押してたら目的のところにたどり着いた…というのを今でもやってます。

CSVもクセが強く、商品名の文字数が他の店舗に比べて短かったり、カラム名が英語だったり…在庫数だけ別ファイルだったりと「よし!これからCSVを覚えるぞ!」という人には全く向いていないと思います。

クライアントからの意見では、楽天のように項目選択肢に子番号が無いため「code」と「subcode」の違いがわかりにくい…というのは良く言われていました。

ただ、楽天のほうが売上が多くても、結果的に差し引かれる分も多いため…注文件数の少ないYahoo!の方が売上が多い、といったクライアントは多かったように感じます。

EC初挑戦の初心者には、個人的にはおすすめです。

◆ヤフオク!

他のECとは異なり、在庫数の概念はなく…全て1点物のオークションサイトです。中古品などを取り扱っているクライアントさんが良く利用していましたが、あまり多くはなかった印象です。

そもそも、ヤフオクの場合での皆さんのお悩みは「自動再出品を行いたい」というのが多かったです。

あまりヤフオクをメインにしている方はいなかったので…一時期の盛り上がりは、今では去ってしまっているのかもしれません。

もし企業で、これからヤフオクを検討されている方は自動再出品のシステムを最初から導入する事をおすすめします(後からの導入は、全品一度取り下げたりする必要があるため…本当に大変です)

なお、自分が設定・おすすめしていたのはこちらです

◆Amazon

売れます(即答)

Amazonはカートが取れればそこそこ売れます。商材次第ではありますが、基本は価格で勝負なところが多いような気がします。
・Prime対象商品として出品できるか(当日発送)
・その商品はAmazonで最安値で販売できるか
大きくはこの軸で出店の判断になると思います。

しかしながらCMSが重く商品を探すまでに時間がかかったり、一度決めた商品コード(出品者SKU)を変更できない事もあったりと、管理は中々のハードルの高さでした…リアルタイムで更新が行われるCMSのせいで…価格変更ひとつ行うのもすごいストレス…な気がします。

そして最大の難関は「CSVを使用した商品編集」これは、熟練の匠だけが使いこなせる最強の技ですね。Amazonは商品ごとにCSVの登録形式が異なります。CSV未経験者であるなら「CSVについて調べて一括出品しよう♪」「一括で価格を変えよう♪」などと気安く思わないほうがいいです(真顔)

調べだしたら最後「そもそもどこからフォーマット落とすんだよ…ってかアップする場所どこだよ…」という輪廻の世界にWelcomeです。

セラーセントラルの担当者に「AmazonのCSVって…その…使いにくくないですか?」と質問をしたところ「使いにくすぎて困ってます」とお答えいただくくらい、ヤバイです。

商品を削除しても24時間サーバーにデータが残ったり、商品画像の規定がとても厳しい(だから見やすい)ので出品者は意外と手間だったりします。

第1回まとめ - 結局学んだこととは -

はじめてまとめてみましたが難しいですね…まとめる前のコンセプトは「ネットで検索して出てくるような「知識」や「評価」は極力避けて、経験した人間らしさの視点でまとめよう!」って思ってたのですが…書き出してみると…そう上手くいかないものです(笑)

自分が1,000社以上、22のCMSを経験して学んだのは「調べる力」と「質問力」だと思っています。Webから必要な情報を的確に引き出す検索力と、人に質問をする際に端的にまとめ上げた、要点をついた質問、この2点が一番大きいと思います。これだけの多くの事を未経験から習得するには、知識を効率よく吸収する術を身につける必要があったためです。

普段から調べ癖を身に着けておいたり、質問する時に最も短い言葉だけで聞きたいことを相手に質問するにはどうしたらよいか、などを考えながら行動すると、知識の習得は早いと思います。

ECに興味がある方の、少しでも何かのお役に立てば…
練習も兼ねて、第二回を開催したいと思います。

それでは、また。

2019/05/15 追記
ECモール・カート解説、第二回はこちら

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