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【詩】遥かなる私たちの旅
日が沈み、青いベールに世界が包まれゆくとき、
私はいつも帰る場所を思った。
逃げ出したい現実があったわけじゃない。
それでも帰る場所を思った。
帰るべき場所があると、そう思った。
それがどこにあるのか、
どうしてそんなことを考えてしまうのか、
何一つわからないというのに
いつか必ず帰ろうと思った。
必ず帰れるはずだと、そう思った。
求める場所はどこで
そこには誰がいて、
なんのためにそうするのか、
それを知ることが生きることなのだと、
そう思った。
きっと私たちは旅人なのだ。
ずっとずっと旅は続く。
帰るべき場所へと旅は続く。
たどり着くことではない。
何よりも大切なのは行くことだ。
帰りたいと願うことから全ては始まり、
知りたいと望むからこそ自分のものにある、
そして旅は、何よりも美しいものになっていく。
青いベールに世界が包まれゆくとき、
私はそっと見えない誰かと約束をした。
その一瞬の、絡めた指先の熱を忘れない。
美しい旅の先を想い、青の中で心から微笑んだ。
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