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【詩】15文字のメッセージ

どんなに夜を重ねても
まばゆい明日は決してこない
それでも僕は
この出会いをなかったものにはできない

想いなんていう
曖昧で抽象的で厄介極まりないものが
僕を絡め取って離さない

それはたった一つの真実ですから

彼女の言葉は軽やかで
僕は皮肉の一つも言いたくなった

あなたは残酷だ
そんな言葉は迂闊に口にするものじゃない

それなのに彼女の言葉は淀みなく
僕は心底途方にくれて座り込む

それはたった一つの真実ですから

眼差しは真っ直ぐで嘘偽りなど存在しない
閉じ込めたあの日が鮮やかに再生を繰り返す
伸ばした指先が空を切って
彼女の微笑みがいびつに揺らいだ

どんなに記憶を重ねても
愛しい熱は決して取り戻せない
それでも僕は
この出会いをなかったものにはできない

ならば曝け出せばいい
あるがままにこの身を捧げ
求めるままに心を開け渡す

僕が欲して彼女がくれた
たった15文字のメッセージが
未来永劫僕を
甘く苦く満たし続けることを願って

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