【企画参加】わたしが一緒に育ったロングセラー絵本
タイムラインの投稿でこの素敵な企画を知りました。しかし今日の今日が締め切り、時間はもう急速に減っていく一方ですが、大好きな本がある私、「この愛を伝えずにはいられない!」と一念発起して書き進めました。間に合ってよかったです。
私は読書も好きですが本自体が好きです。手触りとか重さとか装幀とか、丁寧に作られた美しい本に惹かれます。そんなわけで私の本棚には専攻分野の小難しい資料に紛れ、絵本や写真集も多かったりします。それらはもちろん、見た瞬間胸に抱きしめたくなるような、そんなものたちです。
一目惚れから入念なリサーチの結果まで、ジャンルも多岐に渡りますが、小さい頃から好きで、図書室のものを何度も読み直し、大人になって買ったものもたくさんあります。その中で燦然と輝く不動の愛書が「のばらの村のものがたり」です。
新しいものは大型本なんですね。私が読んだのは上のリンクの小さなセットでした。母がたまたま本屋で見つけて買ってきました。でも娘の私たち用ではなく自分のもの。はっきりとそう言ったわけではありません。けれどとても大事にしていて、いつも最後には自分の本棚にしまっていましたから、私たちもそれを母のものとしてより丁寧に扱っていました。
小川の脇の野ばらの茂みの中にあるネズミたちの村。ジル・バークレムが描く美しい彼らの生活。春夏秋冬の四季シリーズ。4冊がケースに収められた小さな本で、その中にさらに小さな世界があって、そこにはこれまた驚くほど細かなあれこれが詰め込まれていて息を飲みました。読むというよりもただただ眺めて過ごしたといっても過言ではありません。
春は誕生会のピクニック。夏は夏至祭りの日に結婚式、秋は迷子事件に収穫のお祝い、冬は雪祭りのアイスホール。魅力的な部屋の様子、可愛らしい洋服、作られるたくさんのご馳走、そして花や実の自然の美しさ、どこを取っても惹きつけられずにいられませんでした。
正直言うと読む以上に模写しました。何枚も何枚も。これがもう楽しくて。読書の時間がお絵かきの時間に早変わりでしたが、どうやら読むのも描くのも同じ効果があったようです。この過程を経て、物語の一頁一頁が私の中に深く刻み込まれていきました。
それはもう、読書感想文の域を超えて、どう生きるか、どう生きたいか、自分の生活に対する夢が形作られていった瞬間だったと思います。ネズミたちの生活は信じられないほどロマンチックで、私はそこからいかに美しく生きるかを学びました。「美しく生きる、美しい生活」漠然としているようで揺るぎない人生の基盤のような夢です。
実家にいる間は、事あるごとに母の本を読み直し、大人になって自分用に買いました。その時に、四季シリーズの他にアドベンチャーシリーズもあったことを知りました。私はアメリカに住んでいますので英語版の愛蔵版を買いましたが、ここにはアドベンチャーシリーズも入っていて嬉しい限りです。文句なしの宝物。(*私のクリエイターページのヘッダーも!)
英語版のタイトルは「Brambly Hedge」と言います。Bramblyとは棘のある植物、野ばらやブラックベリーなどを指します。Hedgeとなるとその生垣です。私は引っ越してきたとき、庭の隅に自分用のローズガーデンを作りました。そこには前の家から運んできた野ばらをメインにブラックベリーとラズベリーを植えてフェンスに這わせました。まさにBrambly Hedgeです。
春の頃、その花が咲き出した中で本を広げると最高に素敵な気分に浸れます。赤く熟れた実を収穫するときもネズミたちに思いを馳せて。焼いたケーキに花を飾ったり、実を果実酒にしたりジャムにしたり、そう、夢が現実になりました。
これは大人にも子供にも読んでもらいたい本。ここから日常の中にある美しさを感じてもらえたらと思うのです。全てをまねろというのではなく、美しく暮らすことを自分なりに考えるきっかけにしてほしい。もちろん、可愛らしい彼らのお話に、純粋に心癒されることは間違いなし、本当にオススメのシリーズです。
そうそう、この記事を書くためにリンクを用意していて、この春、ポップアップ本が出たことを知りました。これはもう一も二もなく買いでしょう。クリスマスに自分に贈ろうと考えています。とっても楽しみです。
メディアパルさん、素敵な機会をありがとうございました!
読んでくださったみなさんもありがとうございます!
どうぞ素敵な読書時間を。
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