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【自由詩】珈琲と〜・遅刻したので自分用に書きました

先週のシロクマ文芸部お題、
思いっきり遅刻してしまったので
自分の楽しみ用に書きました。
「珈琲と」から始まるストーリー。
自由詩スタイルで好きなこと、
あれもこれも詰め込んで

珈琲と灰色の午後
雨が降っていたのかどうか
もう定かではないけれど
大好きな映画のワンシーン

曇った窓ガラスに息を吹きかけ
丁寧に珈琲を淹れる人
ステレオのスイッチを押し
カップ傍らに小さな本を開き
だけど彼女からの連絡はない
待っても待ってもならない電話
ため息さえも白い一人の午後

ただそれだけ
だけど灰色の午後があまりにも綺麗で
影の中に溶け込むような室内と
曇ったガラスが集める淡い光と
それを縫い合わせていくような旋律の中に
くっきりとたちのぼる珈琲の香りが
私の胸をかき乱す ひどくかき乱す

彼があまりにも丁寧で
あまりにも礼儀正しくて
あまりにも彼女想いで
ねえ いい子じゃなくていいんだよ

彼に言いたかったのか
自分に言いたかったのか
音と香りと温度の鮮やかさの中で
午後の静謐がより一層際立っていった

さあ 珈琲を淹れようか
冷たい指先は温まるだろうか

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