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今日も人の目ばかり気にしていました【韓国エッセイ・試し読み】

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「どうしようもないことはどうしようもない」と考えるのがよい時もある。でも「どうしようもなかった」とクールにふるまおうとしても思い通りにいかないのが平凡な私たちの人生。

 韓国から届いた、自分甘やかし系(いい意味で)エッセイ『怠けてるのではなく、充電中です。』(ダンシングスネイル 著/生田美保 訳)。

 今回はその中から、コミュニケーションについての不安を取り除いてくれる一遍をご紹介します。

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■■■ 本物のコミュニケーションの不在 ■■■

 他人の目を気にするわりに空気が読めないタイプなので、人に接するのがしんどいことが多い。いつもまわりの顔色をうかがっているのに「空気が読めない」と言われるので、ちょっと悔しい。人の目を気にしがちな人は、そ
れだけ対人不安を抱えている可能性が高い。そうなると、その不安を抑えるのに心理的なエネルギーを使うので、目の前の相手や状況に関心を持ち、把握する機能はどうしても低下してしまう。


 たとえば、会話をするとき。失敗したらどうしようという緊張や、相手によいところだけを見せなくてはという無意識的な強迫観念のため、うまく話そうとするほど、むしろどんどん会話がしんどくなる。
「みんなは今、私をどんな風に見ているんだろう。変だとかバカだと思われたらどうしよう」
 頭の中がこんな不安でいっぱいなので、肝心の、会話をしている相手は目に入らない。それで脈絡に合わない変な話をしたり、どうやって会話を進めてよいかわからず、ぎこちない笑みばかり浮かべていることになる。相手に対して関心を持つ余裕がないので、言うべき言葉も思いつかないのだ。

 こういう顔色うかがいは、相手ではなく自分自身にのみ焦点が当てられているので、相手に対して本当に必要な思いやりでもなければ、本物のコミュニケーションにもつながりにくい。だから、当然、関係もうまくいくわけがない。結局、ネガティブな予測や不安が現実になり、予感が当たったと感じ
るので、間違った考えばかり強まる。
「やっぱり私のせいでこの関係がうまくいかないんだ。ひとりのほうがマシ」
「相手」と「私」が共存してこそ関係が生まれるのに、ここには「私から見た相手」もいなければ「私から見た私」もいない。存在するのは「相手からどう見られるか心配している私」のみ。でもそれは、自分が無神経な人だからではなく、不安が強くて、自分自身の世話を焼くだけで精一杯の状態にあるだけのこと。

 だから、会話をするときに緊張しやすい人は、必要以上に相手に合わせようとして、それでエネルギーを使い果たしてしまわないようにしよう。相手を思いやることと無条件に合わせることは違う。コミュニケーションのスタイルが違っても、心から相手を受け入れていれば、いつでも本当の気持ちは伝わるようにできている。


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今日という日が、あなたの心に余裕をもたらす一日でありますように。


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