見出し画像

おうちゲージ満タンです【韓国エッセイ・試し読み】

画像1

「どうしようもないことはどうしようもない」と考えるのがよい時もある。でも「どうしようもなかった」とクールにふるまおうとしても思い通りにいかないのが平凡な私たちの人生。

 韓国から届いた、自分甘やかし系(いい意味で)エッセイ『怠けてるのではなく、充電中です。』(ダンシングスネイル 著/生田美保 訳)。

 今回はその中から、ひとり時間を心置きなく楽しめるようになる一遍をご紹介します。

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6


■■■ 布団の外は危険 ■■■

 一時期、1人遊びの達人だった頃がある。1人でカフェに行くのはもちろん、1人で映画も見て、1人でお酒も飲んで、1人で買い物もし、1人でご飯も食べ、仕事までも1人でした。そういう生活をする中で唯一困ったのは、たとえば焼肉のような「2人前から注文可」のメニューを出人でカフェに行くのはもちろん、1人で映画も見て、1人でお酒も飲んで、1人で買い物もし、1人でご飯も食べ、仕事までも1人でした。そういう生活をする中で唯一困ったは、たとえば焼肉のような「2人前から注文可」のメニューを出すレストランに1人で行く勇気まではない、ということだけだった。


 だからといって、その時期の私に対人関係の欲求がなかったわけでもない。そうやって1日を終えて帰宅すると、SNSの中で三々五々集まって楽しそうにしている写真を見ては落ち込んだ。私は人間世界に馴染めない、どこか問題のある人なのかも、と。

 実際、人に会って何かすると、楽しさよりも精神的な消耗のほうが大きいような気がした。本当に気の置けない友達といるときですらも、その場を楽しむというより、何か頑張らなくてはいけない感じだった。だから「やっぱり1人が楽」と、誰かに呼ばれるまでは出かけもせず、こちらから連絡して約束を作ることもせずに、たいていのことを1人でしていた。電話も避けてメールやメッセンジャーで済ませていたので、ある晩ふと「あ、今日、人と口をきいてないな」と気づくこともあった。こういうとなんとなく痛々しい姿を想像されそうだが、私にはこんな生活が別に変わったことでもなく、か
なり満足していた。


 ウチ族は主に家でくつろいでいるときに心のエネルギーが充電され、反対にソト族は外での活動を通してエネルギーを得る。だから、個人のタイプによって休息の概念も異なる。ウチ族が心理的に枯渇しているときは、友達との約束も息抜きではなくひとつの「処理すべき仕事」になる。もちろん、遊
ぶのがイヤなわけではないが、他人の前で社会化されたモードの自分を出すのには少なくないエネルギーが要るので。

「そうやって家にばかりいてつまんなくない?」
「せっかくの週末なのに、1日中家で何してるの?」

 こんな質問をされると、ウチ族は面食らってしまう。哀れな人間どもよ、家から出ずして1日をいかに多彩に楽しく過ごせるか、本当に知らないというのか!

 タイプが異なることを広い心で理解してもらえればそれに越したことはないが、仮に誰も自分を理解してくれなかったとしても、自分が変なわけではないので、心配しないこと。自分の心をケアするために、自分に一番楽なやり方でエネルギーを充電すればよい。自分が最も自然体でいられるとき、自分自身も、自分が大切に思う相手も大事にすることができる。今の状態を正直に打ち明けたなら、本当に味方の人はそのときがくるまでちゃんと待ってくれるはず。

================

今日という日が、あなたにとって楽しいエネルギーに満ちた一日になりますように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?