第六話「あかせることあかせないこと」
用意どん
「用意ドン」という言葉は、陸上で審判の「用意」の号令と、号砲の「ドン」が合わさって生まれたもの。
ではなぜ陸上競技が存在しない時代に二郎長がそれを言っているのか。
また、なぜクラウチングスタートをしているのか。
それは別に彼が未来から来たとか、予知が出来るというわけではありません。
彼は、愛犬の次郎丸と、走りの訓練をしていました。
警察犬を考えるとわかりやすいですが、短距離であれば犬の方が人間より早く走れますので、訓練相手として最適でした。
そこで、愛犬に合図をする必要があったのです。
「用意」も「どん」も、本来は次郎丸へ向けた言葉だったものが、習慣化してそのまま使っているわけですね。
クラウチングスタートについても、速さを求めて独自に編み出したものです。
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三連抜刀術
冷静に考えると、武蔵四郎が三本腕になったのはつい最近です。
つまり、これは最近編み出したばかりの技です。
三十連抜刀術に至っては、この瞬間編み出したのでしょう。
抜く順番やタイミングを間違ったら自分の手を斬ってしまう危険な技ですが、武蔵四郎はそういうことに無頓着なので自信満々に使います。
また、抜刀術は腰の回転で刀を引き抜くものですから、早すぎて見えないものの、実際には高速で腰を上下左右回転させているものと思われます。
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羽数仁座衛門
余談ですが、彼の名は羽数仁座衛門(はすう・じんざえもん)と言います。
猿渡城の城代を任されています。
名前の中の数字は、具体的な数ではなく、端数という概念です。
本当に余談ですね。
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チェーンソーと巨人兵
そんな彼が呼び出したのが、チェーンソーを持った巨人兵。
いよいよ、フィクション度が跳ね上がりました。
ただ、なぜチェーンソーなのかには理由があります。
つまり、『しごにんの侍』の世界の誰かが、何かの意図を持って考案したものです。
それは、「チェーンソーはどんな用途で生み出されたか」に関連しています。
チェーンソーの歴史を調べてみても面白いかもしれません。
なお、この世界で一般的なものというわけではなく、概念自体知られていないものになります。
また、直接的につながるわけではありませんが、巨人兵という存在についても理由が存在します。
生まれつきでかい人間というわけではありません。
この辺りは、おいおい本編中で明かされていくでしょう。
ちなみに、こういった裏設定は基本、自分が書く際に矛盾しないよう用意しているもののため、脚本に記載するのは最低限の記述だけにしています。
余計な縛りで描きにくくなるのもよくないですし、設定はアツい作画に合わせて変えてもいいのですから。
さて、次回、『しごにんの侍』第七話は9月6日(水)、ブログ第七回は翌週9月13日(水)に公開予定となっています。
といったところで今回ここまで。
また次回のお楽しみ。