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アルベール・カミュの『ペスト』が売れていると聞いて読む

こんにちは、東京スタジオのヤマケイです。


全国の書店で品切れが続出と噂の、『ペスト』を読んでみました。

検索してみたところ、東洋経済オンラインさんのサイト記事で一部本編が掲載されています。


基本的に、疫病ものを扱う作品は「前触れが日常に忍び寄る→楽観的な市民→パンデミック→市民大混乱→医師や現場が奮闘→終息」という流れだと思います。

これまでは「アルベール・カミュの『ペスト』って有名だけど、ワクワクする作品というわけではないし、ちょっとしんどいな」と思って読めていなかったため、これを機に買って読んでみることにしました。


「売り切れてるとあったし、ないかもな」と思いつつ探してみたところ…。

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ありました!

しかも本棚に背表紙の状態で1冊…。

平置きするような新刊や話題作でない限り、頻繁に通う本屋ではない場所で特定の本を探すというのはなかなか難しいものがありますが、なんとなく「見つかる気がする」という根拠のない自信で探して見つかってよかったです。

本に呼ばれたと思うことにします。


『ペスト』自体はフィクションの物語です。

しかし実際読んでみると、中世ヨーロッパで起きたペストを基にもしているためか、不条理が人間を襲った時の人間側の対応が生々しく、面白いです。

この作品が書かれたのは1947年ですが、町ごと隔離されてしまったり、「おれはペストにかかった!」とわめいて女性に抱きつく人が出てくるなど、2020年にほぼ同じような事件が起きていることも印象的でした。

人間、進化しているようで、精神的な部分は進化していないのか…と読みながら考えてしまいます。


現在起きていることも時系列順に情報をまとめておけば、いつかこの作品のように出版する人が出るかもしれないですね。

そして厳しいフィクションを楽しめるという状態というものは、安全地帯にいるからこそできることだなと改めて思います。

終盤、終息に向けて流れも厳しいながら読むのが止まらないので、もし機会があればぜひ読んでみてください。


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ニイザト

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ヤマケイ

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