第二十四回『うごめきのうらがわ』
黒幕側の動きが慌ただしくなってきた第二十四回の解説です。
*****
ミニ一九
「最後の吐息のようなもの」と一九本人が言っている通り、本体とかそういうことではなく、あくまで子機です。
生体部品なので、多少の会話はできますが、それも長くは続かず、灰となったのでした。
元々、その戦闘の中だけ稼働することを前提としており、機密保持的な意味合いもあって自壊するように作られています。
なお、この子機は、有名な空也上人の像(口から小さな阿弥陀仏が次々出ている)を見たことがある一九が、万象にその話をしたことがきっかけで生み出された設定です。
*****
計略
そんなミニ一九が言い残した「我らの計略」とはいったい何か。
もちろん詳しくは今後の本編で明かされますが、「四剣豪を継ぎ接ぎにしたこと」、「四剣豪に刺客を送ったこと」あるいは「遊郭の刺客の元に呼び寄せたこと」、「死体を操る不死身の忍の暗躍」、「城下に麻薬をまいていること」、「麻薬の罠にハマった人々をその忍が呼び寄せていること」など、それら全てその計略の一部であり、万象の目的に沿って起こされているものです。
ただし、それぞれの優先度は必ずしも等しいわけではなく、優先度の低いことも並行して行われています。
それらを踏まえて、万象たちの目的を想像してみるのも楽しいかもしれません。
*****
麻の毒
モブがアヘンと言っていたのに六道丸は麻の毒と言っています。
アヘンはケシからであり、大麻由来ではありません。
これは前回解説した通り、一般民衆は麻薬の区別がついていないためで、実際には本作の麻薬が大麻由来の成分も含んでいることを示しています。
なぜ万象陣営が麻薬に精通しているかと言えば、モルヒネのように鎮痛剤を目的として研究していたからです。
*****
九郎判官義経二世
九郎判官義経二世がフルネームです。
数字の92に相当するキャラクターで、2には二郎長がいるので、九郎判官まで含めるようにしました。
源九郎だとか九郎判官だとか、義経の別名をいろいろ語っていますが、原稿段階では遮那王がどうたらとかも言っていました。
さすがに注釈が多くなりすぎるという指摘があってカットしました。
多弁で衒学(知識をひけらかす)趣味のキャラは、放っておくととんでもない注釈量になるので、加減が大変です。
ただ、もうこのキャラに関しては、聞き流してもらって大丈夫です。
大したことは喋っていません。
多弁だけれども、大したことを言わないというキャラって、個人的には結構好きだったりします。
さて、次回、第二十五話ブログは少し空きまして、9月4日(水)、『しごにんの侍』第二十五話はその前週、8月28日(水)に公開予定です。
といったところで、今回ここまで。また次回のおたのしみ。