心理士×企業 顧問心理士の価値#1
はじめに
私は株式会社CBTメンタルサポートを経営しながら、個人の心理士としての仕事も行っている。二足の草鞋を歩む中でふと次のような疑問が浮かんだ。経営者の立場で外部の心理士と顧問契約をした場合どのようなサービスに価値を感じるだろうか。逆に心理士の立場で企業と契約をする際どのような価値を提供できるだろうか。
経営者の立場で
経営者と一言でいっても個人事業主から大企業までかなりの幅がある。仮に毎月の顧問料が3万円だとした場合、経営規模や業績によってその金額の意味合いは変わってくる。今回は社員5名以下の比較的小規模で業績はほんの少しだけ余裕がある会社経営者を想定する。
さて、上記条件で外部の心理士が営業に来たとして私ならどのような提案に首を縦に振るだろうか。
仮提案1 スタッフへのカウンセリング
いつ利用するかも分からないサービスに3万円は正直高い。正直、自由に好きなカウンセリングルームに行ってもらい料金を会社負担とする方が誰にとっても良い気がする。しかし、会社のストレスや悩みを相談したい場合にはそれだと利用し辛いことも想定される。ただそれは顧問心理士をつけたところで同じではないかとも思う。仮に誰が受けたか分からないような配慮をしたとして、そもそも会社を負担に感じているスタッフがそれを信じることができるだろうか。私なら信用することはできない。経営の立場から考えると正直なところ利点がない。大企業ともなれば話は変わるかもしれないが。
仮提案2 セルフケア講座、各種セミナー(アサーション、アンガーマネジメントなど)
社内研修については有用な部分もあるが、費用対効果を考えると悩ましい部分がある。でも例えば、今現在何らかのコミュニケーションがうまくいっていないのであればそのニーズにあったテーマのものであれば助かるかもしれない。しかし、コミュニケーションがうまくいっていない状態で社内研修を開いて改善できるものなのだろうか。そのあたりのデータも示してくれると気持ちが揺れるかもしれない。
仮提案3 組織へのコンサルテーション、問題相談
この提案は経営者の立場からするとありがたい。外部の人から見て自分の会社はうまく回っているのか、経営者として社員との関りに問題はないか、生産性を上げるためにできることはあるか、経営者としての苦悩だの相談したいことは沢山ある。同時に経営経験のない心理士がどこまでわかってくれるのだろうかという不安もある。このあたりもデータなどで示してくれるとかなり安心感はある。月契約というのではなく、単発での契約であれば値段にもよるが首を縦に振るかもしれない。
まとめ
経営者の立場で考えてみると様々なことに気づくことができた。心理士個人視点から主張したいニーズと、経営者のニーズは必ずしもイコールとは限らない。どちらの立場としても多くの人と会話し心理士が役立てる方法をこれからも模索していきたい。次回は心理士視点の記事を書いてみたいと思う。