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よくあるよね、「自分の名前の由来を親に聞いてこい。」っていう宿題。

私がまだ小学生の時だろうか、ある宿題を出された。

帰ったら玄関には古紙がバラバラになって、隙間なく埋めつくされていた。

リビングの椅子は倒れている。

兄か?何があったんだ?私は強盗に入られたかのような家の中で、息を潜めて辺りを窺う。恐怖心を覚える。
どうやら、兄が暴れたようだ。

我が家はあったかくない、冷たい場所だ。

当時やっていたドラマで母役がこう言っていた。「生まれてこなくていい命なんてない。」
本当にそうだろうか?

自分の存在が分からない。自分って何かわからなくなる。怖い感覚。

よくあるよね、「自分の名前の由来を親に聞いてこい。」っていう宿題。おずおずと私は母と父、別々に聞いた。
母より外国にも通じやすい名前にしたかった、というのと、父より漢字は画数で決めたようだ。特に意味はない、とのこと。
特に、意味はないのかぁ。何となく傷付いた気がする。

そんな私は英語が大嫌いだ。何故なら無理やり縛り付けてでも母に英語のレッスンをやらされたから。
あとは、無理やり歌詞カードを見せながら歌わせられることがあった。母は「私は若い時歌手になりたかったのよ。」なんて言った。

私の存在って何だろう。
私は母の玩具なんかになりたくないのに。

私は別に自分の名前が嫌いな訳ではない。
ただ、あの宿題は私にとっては少々酷であった。
その宿題をやる意図が分かっても尚。

自分の為に生きられたらどんなに楽だろう。でも分かっていても出来ない私は、いつも遠回りをして、自分を愛する。

自分で自分を認めてあげられるくらい成長できるのは、まだまだ道のりが険しそうだ。

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