一日の終わりを君と共に。
前に少し書いたが、うちには4匹の猫が居る。
今日は2番目の猫の話をしようと思う。
わたしの部屋にはベッドがある。
しかし自分が眠る時、わたしは床に布団を敷いて寝ている。
何故か。
2番目の猫に占領されているからだ。
長らく末猫として育った2番目だったが、歳の離れた3番目と4番目が来た時に彼女らの体力と勢いに驚いて引いてしまったらしい。
その為、2番目は基本的にわたしの部屋だけで過ごしている。
お陰でわたしのベッドは2番目専用のテリトリーとなってしまっている。
そんな彼女は人間が大好きだ。抱っこも大好きだし、顔を見れば大歓迎してくれる。
夜、自分の部屋に布団を敷きに行くと、大体2番目がベッドから見詰めてくる。
そして、
-ドスっ
「うぐっ」
彼女は夜な夜なわたしの腹の上に落ちてくる。
ところで突然だが、猫の信頼の表し方をご存知だろうか。
①. ぴったりくっつく。
②. 相手の顔の近くに寄って行く。
③. お尻を向ける。
などなど。数パターンあるらしい。
2番目は上記の行動を全て取る。
つまり。夜な夜なわたしの腹の上に落ちてきた後、彼女はわたしの胸の上で横たわる。…わたしの顔にお尻をくっつけようとしながら。
咄嗟に顔だけ避けるので、彼女はわたしの顎に腰を寄りかけながらわたしの胸の上で丸くなることになる。
頭と背中を撫でてやると2番目の猫は嬉しそうにゴロゴロと言う。
彼女の気が済むまでわたしは眠れない。撫でるのを辞めれば彼女は起き上がってわたしの手に自らの頭を擦り付けたり、わたしの頭と顔面を尻尾でばしばしと叩いたりするのだ。
彼女が満足するまで撫でると、尻尾の動きが段々と大人しくなる。
バシバシぶんぶんと顔面を叩いていたそれが、ぱしっぱしっに変わり、そのうち尻尾の先だけ揺れるようになる。
そうなった後に彼女の小さい猫手の上にわたしが手を重ねると、彼女はその手を枕代わりにして眠りに就くのだ。
その後、2番目は少し眠ってからベッドの上に帰っていく。
どうやらこちらに気を遣ってくれてるようでそっと帰って行く。…とは言っても、わたしの身体の上から動くからわたしの目も覚めてしまうのだけれども。
昔はわたしの腹を踏切台代わりにしてベッドに戻っていたが、最近は降りてからベッドに飛び上がるようになった。
健気な気遣いを嬉しく思いながら、わたしはまた意識を手放す。
猫は可愛い。毎朝毎朝わたしの身体には運動会による被害の爪痕が増えつつあるけど、それでも可愛いものは可愛い。
わたしの一日はこうして猫に始まり猫に終わるのだ。
今日もほら。2番目が上から覗いている。
わたしは腹筋に力を入れ、彼女が落ちてくるのを受け止める準備をする。
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