【本】”読書について”ってご存じですか?
【挨拶】
こんにちは、catです。今回は”読書について”という本を紹介していきます。読書がどういうものなのか、どのように読むべきなのか、などといった読者というものを改めて見直すような作品となっています。それでは、どうぞ。
【書籍情報】
書籍名:読書について
著者名:ショウペンハウエル
翻訳:斎藤忍随
出版社:岩波文庫
出版年:1960年4月5日
定価:¥640(税別)
【読書してますか?】
いきなりですが、読書していますか?本を読めば学びも多いですし、色々と考えさせられるきっかけになることも多いです。
風潮として、本は読みまくれ!というものがありますよね。現に、一昔前の学生たちは、想像を絶するほど読書をしていたようですしね。学生はたくさんの本を読みあさり、教養の高さをアイデンティティとしていた過去があります。
本書はそんな、知識の詰め込みに異を唱える……というにはあまりにも辛辣な内容になっています。
【その読書、意味ないよ……?!】
本を開くと、いきなり衝撃的なことが書かれています。難しい言い方をしていますが、要するに「たくさん読むだけでは無意味」ということです。まさに先述の風潮をあざ笑うかのようです。
ショウペンハウエルは、多くの本を読んで詰め込んだ知識より、一部の限られた本を読み、そこから自分で思索することが大事だと主張しています。本の知識だけを頭に入れ、自分で考えて意見を持つこともせずに無尽蔵に読み続けることにはなんの価値もないと。そう言っているのです。
どうでしょうか。本を読んで、考えていますか?読むだけになっていませんか?ご自身の意見を見出していますか?そういった事を警告してくれているのです。
【皮肉がすごい!】
読書については、結構難解です。言葉選びは難しいわ、言い方も難しいわ……。正直なところ、詳しい人の解説を聞きながら読みたいくらいです。
そんな作品ですが、内容を理解する以前に、面白い表現で溢れています。ここでは、笑ってしまうような皮肉をいくつか紹介していきます。
「自分の思想というものを所有したくなければ、そのもっとも安全確実な道は暇を見つけしだい、ただちに本を手にすることである。」
まあその……。言いたいことは分かります。先ほどから言っているように、暇さえあれば読書をする、というのは違うんだぞと。そう言いたいのでしょうが、もっと他のいい方はなかったのでしょうか……。
「書物から読みとった他人の思想は、他人の食べ残し、他人の脱ぎ捨てた古着にすぎない。」
要は本から得た知識をうのみにせず、自分で考えて、自分の思想をつくる必要があるんだ、と言っています。そう言えばいいのに……。なんて思ってしまいます。
「植物図鑑を見、銅版画の美しい風景をながめるために、広々とした自然から逃亡する者の姿に似ている。」
これは、本を読むだけで何も考えず、自分の生き生きとした自らの思想を追放する人に対する鋭利な一言です。また、そんなひとを「聖なる精神に対する叛逆罪である。」とか「罪人」だとかいった表現を使っています。いやはや、厳しいですね。
【おわり】
はい。正直に言うと、内容を詳しく紹介するほどきちんと理解できていないです。なんとなく「こうかな?」というのは分かります。しかし、この本を何度も読みこんで知見を得ようとしてること自体、ショウペンハウエルから皮肉られているような気がしてきます。
中には、理解の及ぶ部分もありました。その部分を要約すると、「せっかく自分で考え抜いて導いた結論が、全く同じ形で本に載っていて「な~んだ」と悔いたことがあるだろうか?」となります。これは確かに私にも経験がありました。結構悔しかったりします。
しかし、ショウペンハウエルはこう言っています。「しかし、他人から与えられるのではなく、自ら導いたその結論は、精神の中に確乎たる位置を占め、消滅することはない」と。要するに、自分で考えて得た知見は、記憶から失せることは無いよ、という事です。だから彼は繰り返し「自分で考えろ」と言っていたのです。
つたない内容でしたが……読書についてに興味を持っていただくことは出来たでしょうか……?それでは、今回はここまでになります。ご覧いただき、ありがとうございます。
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Twitter:@Catkamome
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