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自分の中にあるお気に入りって大事だな、の話。


甘いものが好き。チョコレート、クッキー、アイス、ドーナツ。
昔はホワイトチョコのような甘いチョコレートが好きだったけれど、最近はカカオ70%以上のようなチョコレートが好き。苦いと思っていたブラックコーヒーは、甘いものを食べるときに飲みたいと思うようになった。

大好きで、ずっと変わらないと思っていた好みでも、気が付いたら少しずつ変化してしまう。だから好きだな、と思ったタイミングで、好きをとことん楽しむことを、最近は意識している。


お気に入りのお菓子屋さん。
マフィン、スコーン、クッキーなどの焼き菓子がメインのお店。たまに、タルト、ケーキ、プリン、チョコレートなんかも販売されている。

一番最初に食べたのは、チョコチップのサブレ。これがとても美味しかった。シンプルで程よく甘くて、優しい味。成分表には和三盆の文字、だったはず。(きび糖?だったかも。)
なんとなく、原材料を見て、優しい味に納得したことは覚えている。

それからたまにお店に行くようになった。
一通り食べてみたくて、パウンドケーキ、スコーン、マフィン、ショートケーキ、ボンボンショコラ、マンゴープリンと、いろいろ楽しんでみた。

色々食べた結果、やっぱり私は、このお店では一番サブレが好き。もちろん、ボンボンショコラも、マフィンも、食べたものは全部美味しかった。
でも、また食べたいと、一番強く思ったのは、サブレだった。


そして先日、クッキー缶の発売が決まり、事前予約も始まった。すぐに予約を、と思ったけれども、決して安くはないお値段。正直、ほんのちょっとだけ、考えた。それでも、予約した。やっぱり、好きなものは楽しめるうちに、という気持ちが強かったから。

当日は、本当はもっとわくわくした気持ちで、受け取りに行くつもりだった。けど前日にあったトラブルを引きずってしまっていていて、ちょっとだけ、沈んだ気持ちでお店に向かった。お店に着いて、ニコニコとしている店員さんから商品を受け取ったのに、私はきっと笑えていなかっただろう。

紙袋を右手に下げて、ゆっくりと家に帰る。少し歩いて、ふと、右手の重みに気が付いた。私は今、クッキー缶を手にして歩いているんだなと。紙袋から除く、素敵な模様をした缶は、間違いなく私が欲しかったもの。この蓋を開けたらきっと、いろんな種類のクッキーたちが、ぎっしり詰まっているんだなと、ふと、想像した。
そうしたら、ようやく、温かい気持ちになった。

ああ、クッキーがあるぞ。美味しい、私の好きなサブレが入っているぞ、と。歩くと自然と右手が揺れる。紙袋から、重さが伝わってくるたびに、嫌な気分は少しずつ減っていった。


クッキー缶は想像よりも、少し小さかったけれど、色んなクッキーが、ぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。マシュマロには圧がかかってしまっていたのか、隣のクッキーや上の紙に貼りついていたのは、ご愛嬌。

どれから食べようかと、ついつい迷ってしまうけれど、結局一通り全種類食べてしまった。一番好きだったのは、ザクほろ食感の、ブールドネージュ。アーモンドプールを使っている焼き菓子が、多分好き。桜味というのも、春ならではで、とても好き。

さすがに一度に全部食べるのは、もったいないのと、胃がもたれてしまうので、我慢。ふと、何かの本で、ちょっとしたご褒美は週3回用意すると良い、という話があったことを思い出した。残りは、2日後くらいの、ちょっとしたご褒美の日に、食べることにしよう。

お菓子でもなんでも、好きだと思った記憶は、きっと何より大切にしたほうが良い。そんなことを嚙み締めた、休日の昼下がり。


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