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絵(写真)を手がかりにして会話をする/動作の命名

1998年1月

相手の言葉を正しく聞き取って理解し、答えるということができるように、課題を細かく設定してやってきた。それを日常の場面でもできるために、知育絵本を使って、健常の子どもができていて、あきひろができないことを探していた。

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絵を見ながら、「ミッキーちゃんは何をしているの?」「〇〇はいくつあるかな?」「~の時は何て言うの?」と様々な質問をすると、「いくつ?」と聞かれた時にエコーしたり、その次の質問の「何?」に対して、数を数えて答えたりした。

質問に正しく答えるために、絵に描かれていることを一つ一つ命名(タクト)できなければならない。文を読んで、意味を理解すること②で、「たべています」という文を読んで、「何をしているの?」と聞かれて「たべています」と答えることができたが、絵を見ただけで「たべています」と答えることは、まだできなかった。動作に注目させるために、日常でやっていることの絵カードを作った。

まず初めに【外から帰る】【手を洗う】【タオルで拭く】という動作の絵カード3枚を順に並べるという課題をやった。並べるためには、動作に注目しなければならない。【手を洗う】→【ごはんを食べる】→【歯をみがく】のように、あきひろが普段やっていることから始め、「手を洗ってるね」「ご飯を食べてるね」と言いながら並べるようにした。それから【お絵描きをしている】【テレビを見ている】など、動作の絵カード一つ一つバラバラで、何をしているかを言えるように練習した。

それができるようになってきたので、絵カードではなく、子ども達が遊んでいる公園全体の絵を使い、私が指さした子どもが何をしているか、あきひろに聞いた。「ブランコしてる」「はしってる」「ころんでる」などを答えさせたり、「ブランコに乗っている子はどれ?」と聞いて、あきひろが指さして答えるようにした。

また、動作の言葉の絵カードで、【タオルで手を拭く】は〇で、【ズボンで手を拭く】は✕というパターンのものをたくさん作るようにとT先生から言われた。しつけのための教材は市販のものでも多くあったから、それを利用できた。「拭く」という言葉の意味がわかっていなければ、してはいけないことを教えるのは難しい。

この先、原因━結果、【歯みがきをしない】→【歯が痛い】ということ、それが「歯が痛いのはどうして」という「どうして」の課題をやるためにも、動きの言葉をしっかりとやっておくことは大事だった。

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