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ブランディングの第3ステップ①:ターゲットの捉え方

ターゲットの重要性

ターゲットの捉え方は、ブランディングにおいて欠かせない要素です。「当社のターゲットは子供からお年寄りまで幅広く買われているので、その全部です」という発言をする人は、ターゲットを正しく理解していないと言えます。ターゲットとは、その商品やサービスを最も購入してもらいたい層を指します。この層は、一番多く購入してくれる顧客、購入によってすぐに課題が解決する顧客、もしくは購入によって周囲に最も広めてくれる顧客、または購入のハードルが低い顧客を意味します。

マーケティングターゲットとコミュニケーションコアターゲット

例えば、コンビニで購入できる100円前後のチョコレート菓子の場合、マーケティングターゲットには購買可能な6歳から100歳くらいまでの人々が含まれます。これをマーケティングターゲットをいいます。しかし、「これがターゲットです」と言っては効果的なアプローチはできません。この中で、最もその商品を喜んで購入してくれる人は誰なのか、一番こちらからのコミュニケーションに反応してくれる人は誰なのか、そしてこの商品を気に入って周囲に情報を発信してくれる人は誰なのか、これらを考慮して最初に攻めるべきターゲットを決定します。これを「コミュニケーションコアターゲット」と呼びます。

ターゲットセグメンテーション

他にも購入が考えられるターゲットが存在します。これらを分類し、戦略・戦術実行する順番を決めておきます。つまり、一番買ってくれるターゲット層から二番目に買ってくれるターゲット層へと順番付けをします。通常、この一番のターゲット層に対するアプローチだけでも手一杯になり、二番目以降のターゲット層には、ブランドがまず成功した後にアプローチをすることになります。もしくはまったく変われない場合に2番目のターゲットに移行します。このターゲットの分類と順序付けを行うことを「ターゲットセグメンテーション」と言っています。

ターゲットの発見

ターゲットの見つけ方は非常に難しく、様々な方法がありますが、既存の購入者の背景を紐解くのは最もシンプルで分かりやすいやり方です。ただし、本当にこのターゲットが適切なのかどうかは検討する必要があります。ブランドが変わろうとしているのに同じターゲットを相手にしていては、売上の拡大はあまり期待できません。今までと変わらないか、少しプラスになるかマイナスになるかの結果しかもたらさない可能性が高いからです。

新たなターゲットの発見

既存の顧客からウォンツ、ニーズ、インサイトを引き出し、その中でもインサイトとしてまだ顧客になっていない層が持っていそうなものを見つけることが、新たなターゲットを発見する糸口となります。ターゲットの設定は多面的に考え、ブランディング戦略の方向性を決める非常に重要な要因ですので、徹底した調査と検討が必要です。まずは既存のお客さんの声を十分に聞くことから始めましょう。

ペルソナとN1

このヒアリング調査を行った上で、ペルソナを作成する人がいますが、本当に明確なターゲット像がない限り、データから作り出されるものは、ブランド戦略の構築とそのマーケティング施策には使えないことが多いです。そのため、調査から得られる具体的な顧客インサイトや行動データを重視し、N1の視点でターゲットを設定することが重要です。N1とは、「個の顧客」から得られる深い洞察を基にターゲットを見極めるアプローチで、ペルソナの作成以上に実践的な価値を持つとされています。

次は具体的なやり方を解説します。

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