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『リクルートダイレクトスカウト』のリニューアルにみる今後のマッチングの方向性

皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
つい先日の12月4日にリクルートの会員制転職スカウトサービスの『リクルートダイレクトスカウト』が大幅にリニューアルされました。詳細は下記をご参照下さい。

今回はこのリニューアルの内容を見ていくことで今後の人材紹介のマッチングの方向性について考えてみたいと思います。


『レジュメ』機能の導入

今回のリニューアルにおいてはリクルートの求職活動支援サービス共通で利用できる職務経歴書機能として『レジュメ』機能が導入されました。これは経験やスキル、希望条件などに関する質問に答える(=キーワードを選んでいく)だけでレジュメが簡単に作成できること、更にリクナビNEXTやタウンワークなどの他のリクルートの求職活動支援サービスに共通で利用することができるのが特徴です。

このようなレジュメ作成についての時間短縮化については以前、下記のnote記事でも取り上げましたがビズリーチも同様なサービスを展開しています。

これらはいずれも転職活動における大きな手間の一つであるレジュメ作成において大幅な時間短縮を可能にするという点でとても画期的なサービスであり、エージェントがどのようにこのようなレジュメからマッチングをしていくか、という点で今後、とても注目するべきポイントだと思います。

AIによるレコメンド機能の導入

今回のリニューアルの最大の特徴はこのAIによるレコメンド機能が導入されたことではないでしょうか?

具体的には今回の仕様変更からスカウトを行うにあたっては「求人票」の添付が必須となりました。その求人票を作成する上で仕事の内容や必要な能力・経験を表す「キーワード」を設定する必要があり、これと先ほど述べた求職者側が作成する『レジュメ』における経験やスキルなどの希望条件がAIによって分析され、企業(又は利用するエージェント)側にはスカウト候補者が、一方求職者側にはおすすめの求人がAI によってリコメンドされるという機能です。

更にはこのスカウトのレコメンド機能は、求職者も企業も『リクルートダイレクトスカウト』を使えば使うほどAIが学習し、その精度が上がっていくとのことです。

このように求職者と企業双方へAIがレコメンドをすることで、マッチする可能性の高いスカウトがより多く生まれることを促していくというのが今回のリニューアルの最大の狙いとなっています。

以上の『レジュメ』機能の導入とAIによるリコメンド機能の導入により、リクルートが主導するテクノロジーを軸にしたマッチングの方向性が見えてきます。それは「転職は1秒で」と言うリクルートが掲げる世界観に一歩近づいたという点でとても大きなエポックになると思います。
リクルートが掲げる転職は1秒でという世界観は下記をご参考下さい。

今後のマッチングの方向性

それではこのようにAIなどのテクノロジーによるマッチングの世界がいよいよ現実のものになってきた中で今後の人材業界におけるビジネスの肝であるマッチングはどのようになっていくのでしょうか?

以前、私は「マッチングについて考える」という記事の中で以下のように述べています。

人材業界の会社もデジタルを軸にテクノロジーを強化していく方向と逆にアナログの方向を極めていく方向の大きく二極化していくのではないかと思っています。

2023年2月8日「マッチングについて考える」より抜粋

詳細は下記をご覧下さい。

このテクノロジーの進歩のスピードは想像以上に早く、当時よりも更に身近になり、より広範に展開されている状況です。

そのような状況を踏まえれば単純に「テクノロジー」か「アナログ」かと言う二項対立の構図で捉えるのではなくそれぞれの特徴を理解しながら、うまく活用していくということが求められるのだと思います。

例えば今回のケースで言えば、「キーワード」についても単なる言葉尻を捉えるのではなく、その裏側にある本質的な部分まで踏まえてスカウトを送っていくなどの工夫をしないと結局は効果は出ないのではないかと思います。

今回はリクルートのスカウトサービスの大幅リニューアルにより、いよいよAIによるマッチングの世界が現実になってきた中で今後の方向性について見てきました。

以前の記事でも触れたように一番まずいのは、今までのやり方に固執してこのどちらの流れにも乗れないケースだと思います。

弊社カタリストエージェントは引き続き、このようなAIの便利さを享受しながらも人材紹介の本質であるアナログ的な発想を大事にしてマッチングを行なっていきたいと考えております。

どちらにしてもテクノロジーに使われるのではなく、しっかりと使う側が主導権と意思を持つことでより効果的に仕事をしていきたいですね。

転職・人材採用におけるご相談はお気軽に弊社までお問い合わせ下さい。

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