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スカウトのスキルについて考える パート2

皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
前回の投稿では、スカウトのスキルとして「ターゲット検索編」をお届けし、今後益々重要になるスカウトスキルについて考えていきました。
詳細は下記の投稿をご覧ください。

今回はシリーズの第2回目として、「レジュメの読み込み」について見ていきたいと思います。

スカウトにおけるレジュメの読み込みについて

実は、スカウトサイトのレジュメは通常の職務経歴書とは違って全ての会社の経歴が入力されていなかったり(例えば直近の会社の経歴しか入力されていない等)、時には社名すら非公開の場合もあるなど「不完全」であるということが特徴です。

職歴以外の希望条件についても同様で、例えば希望年収などが現年収よりも大幅に高い、あるいは低い年収が記載されている、希望勤務地などが書かれていないなどのようなケースも頻繁にあります。

そのためスカウトスキルにおける「レジュメの読み込み」についてはこのような不完全な情報しかないレジュメに対してどう読み込んでいき、スカウトに繋げていくか、というスキルを意味しています。

そこでポイントになってくる点は、「イマジネーション」です。これは仮説を立てていく力と言い換えてもいいかと思います。

例えば、以下のような判断軸からキャリアや志向性を推測していくことが重要になります。

■転職回数で判断
・例えば本当は3回とか4回以上転職しているのにスカウトサイトには直近の企業または前職含めて2社程度の記載しかないケースがあります。これについては直近の在籍企業の「在籍期間」や「入社時期(例えば入社してすぐに転職サイトで活動しているなど)」を判断して過去の職歴についても同様なのではないか?と仮説を立てていきます。
・あるいは、いわゆる大手企業や有名企業しか記載をしていないケースもあります。これも在籍期間や入社時期、あるいは、役職などのポジションを見ることで概ね想像がついてきます。
しかし、本質的に最も重要なのは、そもそもなぜこのように職歴を実際とは異なる形で記載をしているのか?という人物面を理解することです。忙しくて入力する時間がないのか?あえて自分をよく見せようとしているのか?自分のキャリアを最もアピールできる職歴を書いているのか?等、それがいいか悪いかではなく、その行動の裏にある気持ち(=人物タイプ)を理解することがとても重要です。

■企業規模から判断
・レジュメに記載の企業規模を調べることで概ね「大手志向」なのか「ベンチャー志向」なのか、という点は判断ができます。同様な規模の案件を紹介していく場合は特段問題になりませんが、大手からベンチャー、あるいはその逆のパターンについてはそれなりの転職する「メリット」をスカウト文面などに盛り込んでいくことが必要になります。

■役職などで判断
・これは年齢も踏まえた上でマネジメントなどのポジションについているかどうかで志向性やスキルレベルは概ね判断が出来ます。スカウトをする際はこの点を踏まえて、キャリアダウンにならないかどうか、という点を考慮してスカウトをしていくことが重要になります。

■希望年収で判断
・こちらは現在年収との乖離に注意をします。あまりに現在年収との差がある場合は特別なスキルがない限り、厳しいのが実態です。また、この乖離があるケースではいわゆる年収の「相場」についての擦り合わせをかなり丁寧に説明しながら対応をしていく必要があるという点を認識しておくこともポイントです。

■希望勤務地で判断
・こちらもある程度は年齢とセットで考えていくべき項目です。20代などの若手であれば概ね自由度は高いと考えていいと思いますが、30代や40代以降になれば、家族や持ち家などの問題を含めて簡単に転居はできないと考えておかなければいけません。
・ただ、最近の傾向としてはこの希望勤務地については例えばリモートワークが可能な企業も増えてきているのでその点を踏まえてより柔軟に対応をしていくことが大事になってくると思います。

 

どうしたらこのようなスキルが身につくのか?

以上主な項目における判断軸や仮説の方向性について見てきましたが、それではこのようなイマジネーションや仮説を立てる力はどうしたら身につくのでしょうか?

結論から言えば、これは数多くのレジュメを読み込む以外に方法はありません。

私も人材紹介の仕事を始めた頃、当時所属していたリクルートの先輩に「毎日レジュメを100件読み込みなさい」と言われてそれをしばらく実行していたことがあります。

当時は、大変時間がかかりそれだけで1日の仕事が終わってしまう位のボリュームでしたが、続けていくことで少しずつ担当業界のマーケット感が身についていきました。実はこの経験が今に大変役に立っており、今回述べてきたようなマーケット感に基づくイマジネーション力に繋がっています。

また、レジュメを読み込みスピードも(ポイントが分かるので)圧倒的に早くなりました。昨今はできるだけ効率化が叫ばれる世の中ですが、このようなマーケット感の醸成については一朝一夕に身につくものではないと断言します。長期的な視点で取り組んでいくことが重要だと思います。

以上、今回はスカウトのスキルの第2回目として「レジュメの読み込み」について見て来ました。主としてレジュメが不完全であることを前提にしたスキルについて述べてきましたがもちろん一番ベストなのは職務経歴書と同等のレベルでしっかりと経歴やスキルが記載してあることです。

そのようなレジュメを見ると転職活動に真摯に取り組む姿も感じられ、こちらも丁寧にレジュメを読み込み、より適切な情報提供をしていくことが可能となります。その意味で双方にとってそれがよりベターなのは言うまでもありません。

いずれにしても出来るだけ適切なマッチングに繋がるようなスカウトができるように今後も日々、勉強していきたいと思います。

次回はシリーズの3回目として、「スカウト文面編」としてスカウトのメッセージについてお届けします。お楽しみに。

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