見出し画像

はじめまして猫×2/なので猫柵を作る

2021年12月。我が家に二匹の保護猫が来ることになった。

先代の猫は、妻の実家から結婚の際に妻と一緒に来てくれた猫で、すでにそこそこ大人になっていたので、一緒に暮らしはじめるのもスムーズだった。
今回はまるっきり第三者が保護した猫、それも子猫、さらになんと二匹をまとめて引き取るのは初めての経験だった。

初めて知ったのだが、保護猫を引き取るのにも、色々とルールがある。
ちゃんと世話をできる環境なのか、ながく一緒に暮らしていく覚悟はあるのか、二匹まとめてとなると猫と一緒の生活にも経験が必要で、さらにシビアなことを言えば経済的なことなんかも、ちゃんと保護主さんに説明できなきゃいけない。
その中でも、かなりしっかりと言われたのが、「外に逃げないように、ちゃんと柵等を設けてくださいね」ということ。

猫が家から脱走すると、パニックになってしまい、捕まえるのはとても大変で危険だ。猫にももちろん飼い主にも大きなストレスになる。そして脱走するほとんどの理由が、玄関や窓の開け閉めのときの油断だそうだ。

なので保護主さんからは、「譲渡するまでに、玄関やベランダや窓に、ちゃんと脱走防止策をしてくださいね」と念を押された。

先代猫はそれはもう良くできた猫で、壁で爪とぎもしなければ、トイレの粗相もなし。外に脱出するなんてアクティブなことは絶対にしない、穏やかで愛想が良くて甘えん坊のパーフェクトな猫だった。だから、脱走防止策なんて考えたこともなかった。
なるほどこれが保護猫を引き取る責任ということなのだ。

さて、今回新しく家族になる猫たちは、果たしてどんな性格だろうか。

仲良し兄妹ということなのできっとものすごく可愛いと思うし(実際に「お見合い」と称した初対面ではもう既にこちら夫婦はかなりデレデレ)、子猫だから元気もいっぱいだろう。
こちらが予期せぬすきを突いて、脱走してしまうかもしれない。
となれば家族としてちゃんと、防止策を考えねばならない。

先代猫が亡くなって、全部処分してしまった諸々の猫グッズをもう一度買い直しながら、市販されている玄関先や窓に設置する猫の脱走防止用柵などを色々と調べた。

今のマンションに引っ越してきて3年。
家具や電化製品などは、できるだけ好みのものを揃えていて、居心地いい空間になっている。猫が来る以上、世界は猫一色になるのはわかっているのだけど、それでも、できるだけ今の空間にあったものを揃えたいなと思った。

ところがである。
この市販のものが、うーん、なんだかなー、という感じなのだ。
もちろん高額なものになれば、かなりステキなものもあるし、何だったらオリジナルで作ってくれるところだってある。ただ、リーズナブルな路線になると、どうしてもチープ感が否めない。

柵を設置しないという選択肢はない。
マンションは角部屋なので窓も多く、全部を高額路線の市販のモノで揃えるのも考えもの。だけどチープなのはちょっとがっかり。

そんな時に妻が言った。
「こういうの、作ったりするの好きじゃなかった?」

ちょっと話はずれるが、私の父は日曜大工野郎だった。
私が小学生の頃から自作の棚や机、はてはドリンクワゴンなんかを作っては、部屋のあちこちに置いていた。
当時としてはまだ高価であったろう、ジグソーや電動ドリルなんかも持っていて、大きな道具箱の中はいろいろなガジェットでいっぱいだった。
そんな父の手伝いをするのは幼い私の仕事だったし、何だったら同年代の小僧たちの中でも、ノコギリやトンカチやカンナの使い方は、うまい方だったのではないかと自負をしている。

そんな私だったが、大人になってからはすっかりその手の作業はしていなかった。モノを作るのは楽しいけど、今は市販でもかなり安く良い家具が揃えられるし、なにかを作るという情熱は、一度下火になるとまた始めるのが億劫なのだ。そもそも、私のもつ大工道具箱は、父のものの半分くらいの大きさしかない。

そんな私に妻が言った一言は、かなりクリティカルだった。
そうか、作っていいのか。

「作る理由」が与えられた途端、自分の中に眠っていた「日曜大工野郎」の血がもりもりと目覚めるのがわかった。
良いだろう。作ろうではないか。

「がんばってね!猫が逃げ出さないように、でも快適に、そしてあんまりかっこ悪くしないで部屋の雰囲気に合ったやつにしてね!」

という妻の声援を背に受け、私は再びトンカチを握る。
オーケーボス。ちょっと本気だすよ

自作の猫柵作成レポート


この記事が参加している募集

ペットとの暮らし

猫のいるしあわせ

スキとコメントとかもらえると嬉しいのです。コメントは「にゃー」とかだけでも良いです。私も皆さんに「にゃー」を返します。