「アンジャッシュ」 ~Tomorrow never knows~
帰りももちろん慣れない妻の運転だ。
車内には行きと違い、安心に満ちた雰囲気が漂う。
大変な病気だということ、
これから治療に専念しなければならないことなど、
問題は山積している。
だが、このときは、病名が判明したことが何よりも嬉しかった。
母が子どもたちの春休みに合わせて、
九州から来ることになっていたのだが、少し早めてもらおうと、急に思いつく。
母に電話を入れる。
「もしもし、上京の件なんだけど、早められないかな?」
「どうした?」
「今、病院の帰りなんやけど、しば