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浦和学院vs近江 センバツ準決勝 どこよりも詳しく見どころ紹介

第94回選抜高校野球大会
準決勝 第一試合
浦和学院(埼玉) vs 近江(滋賀)

ついに激突、宮城vs山田のエース対決!

浦和学院は優勝した2013年以来、近江は初のセンバツベスト4となった。
特に近江のベスト4は滋賀県勢、そしてセンバツ歴代の代替出場校の中で最高成績である。

両チームとも昨年の夏から甲子園を経験している宮城、山田という好投手を擁する。
浦和学院はここまで3試合で3失点、近江は同じく3試合で5失点とともに投手力は安定している。
また内野陣も守備は堅く、特に浦和学院金田、近江横田の両ショートのフットワークの良さが光る。

投手力分析

まず浦和学院はエース宮城が非常に安定している。ここまでの3試合23イニングで被安打8、与四死球5、奪三振27は素晴らしい数字と言えるだろう。
球速表示以上にノビの感じるストレートに多彩な変化球で簡単に追い込み、勝負球にストレートを使う配球が目についた。
近江打線としては攻略は容易ではないだろう。ただ敢えて宮城の難点を挙げるとするならば、準々決勝の九州国際大付戦では4回に初安打を許した後、そして8回にも安打を許した後に四死球で走者を出して失点した点だ。
ランナーを背負うと少し球が上ずる傾向が見受けられた。長打力でやや劣る近江としてはこの甘い球を積極的に打ち返したい。

リリーフは浅田、金田の両右腕がいる。
ともに甲子園で登板しており140キロを計測した力強いストレートが武器だ。
勝てば連戦になるのでリリーフ陣の登板も大いに考えられるだろう。
九州国際大付戦でもリリーフしたショートの金田は登板直後にコントロールを乱していた。
それだけに継投のタイミングがキーポイントになりそうだ。

近江は何と言ってもエース山田が中心だろう。
今大会では昨夏に見せた力強さだけではなく打たせて取る投球も披露し、投手としての幅広さを感じさせた。
昨年は左足を上げた後に背中を丸めるフォームが気になったが、このセンバツではそこが改善されている。それによりリリースポイントが上がり、MAX146キロのストレートの回転とスプリットの鋭さが増した印象だ。
ただ山田で気がかりなのは3試合で379球を投げている疲労度である。浦和学院としては早打ちでフライを打ち上げて山田を助けてしまう展開は避けたいところだ。

リリーフは背番号9のサウスポー星野が1番手となるが、ここまで甲子園での登板はまだ無い。多賀監督がどのような投手起用をするのかにも注目したい。

打力分析

浦和学院の打線は何と言っても上位打線の力強さが際立っている。今大会では伊丹、金田、鍋倉、高山と2番から5番までが本塁打を放っているという点は、近江投手陣にプレッシャーを与えるだろう。しかも浦和学院打線が素晴らしいのはホームランを打つ為に大振りするわけでは無い点だ。(4番鍋倉はやや大振りが目立つが・・・)
ウィークポイントを挙げるなら、7番以降の下位打線がやや迫力に欠けるという点か。あとは大分舞鶴戦、九州国際大付戦ともに低めの難しい球に手を出して凡退するケースが多く見られた点だ。
それだけに近江のエース山田の低めのスプリットの見極めが大事になるだろう。

対する近江は浦和学院ほど長打力はない。また急遽出場が決まったことによる実戦不足からか、初戦は大振りが目立った。
ただこの点は2回戦の聖光学院、準々決勝の金光大阪戦で改善されていた。
打線は上がり調子と言って良いだろう。
キーマンは津田、山田の昨夏レギュラーだ。津田は1番か3番を任されており、非常に柔らかい打撃と脚の速さでチームを勢い付けている。山田は今大会、打率こそ悪いものの潜在能力と存在感が相手に与える圧力は大きい。
ウィークポイントになりかねないのが走塁のミスである。金光大阪戦でも勝負どころで外野フライのタッチアップ判断ミスがあった。
相手に流れが傾きかねないプレーには気をつけたいところだ。

この試合の見どころ

長打力で浦和学院がやや上回るだけに、近江のエース山田に対して浦和学院打線が狙い球を絞り切れるか、が1番大きなカギになるだろう。

浦和学院としては山田のストライクを取りに来るスライダー、そしてカウントが悪くなると甘くなるストレートに狙いを定めたい。

またそれだけに山田としては低めへのコントロールが重要になる。四死球には繋がらなかったものの、時折高めに浮く球が増えるケースが見受けられるので気をつけたい。特に疲れが出る終盤には要注意だ。
浦和学院打線は高めに抜けた変化球をフルスイングしてくる為、ホームランに繋がる恐れがある。

近江打線は宮城のストレートをコンパクトに打ちにいきたい。宮城のストレートは手元で伸びる球質の為、大振りになると詰まらされるだろう。それだけにセンター返しを意識したバッティングが重要になってくる。
特に4番の山田はここ2試合少しレフトへの意識が強くなりバランスが崩れているので気をつけたいところだ。

ともに相手が好投手なだけに、厳しい球を振らずに甘い球を捉えたチームが勝利に近付くだろう。

そして両チームとも投手のスタミナ、継投のタイミングが終盤の展開を大きく変える可能性がある。

最後まで諦めずに全力で戦う姿勢で、ファンの心を揺さぶるようなナイスゲームを期待したい。

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