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市和歌山vs大阪桐蔭 センバツ準々決勝 見どころ紹介

第94回選抜高校野球大会
準々決勝 第4試合
市和歌山(和歌山) vs 大阪桐蔭(大阪)

「強力打線キラー」が最強軍団に挑戦!

準々決勝最後の試合は市和歌山と大阪桐蔭の近畿勢対決となった。両校とも近畿大会の常連校だが意外なことに公式戦では初対戦となる。

日程的には大阪桐蔭は広島商の辞退により中3日、市和歌山は連戦となりエース米田のスタミナが気になるところだ。

花巻東、明秀日立と今大会を代表する強力打線の2校を破ってきた市和歌山のエース米田をはじめとする投手陣が、最強軍団の大阪桐蔭にどう立ち向かうか。
非常に楽しみな一戦である。

市和歌山のここまで

市和歌山は初戦で花巻東に5-4、2回戦は2-1の9回サヨナラで明秀日立に勝利した。ともに地区大会で優勝した強力打線のチームを相手にしての連勝で勢いに乗っていると言えるだろう。

ベスト8の立役者は何と言ってもエース米田だろう。花巻東戦では強打者の佐々木、田代にストレートの真っ向勝負で球威を見せつけた。そして明秀日立打線には変化球でタイミングをズラす見事な投球だった。
ただ2回戦でストレートは花巻東戦ほどのノビがなく、調子自体は良くなかったのではないかと感じられた。それでも悪いなりに勝てる投球にシフトチェンジ出来るのは好投手の証だと言える。
甲子園でまだ出番は無いものの、控え投手の淵本も非常に球威のある本格派投手である。米田が連投となるため、登板が巡ってくる可能性はあるだろう。

打線は長打は少ないものの1番から9番まで、逆方向に逆らわないバッティングが出来るのが強みだ。
個々の能力で特筆すべき点は無いものの、全員で繋いで「線」になると強さを発揮する。
特に4番の寺田が甲子園で絶好調なのが心強い。

大阪桐蔭のここまで

大阪桐蔭は初戦で難敵の鳴門を3-1で下した。
続く2回戦は広島商がコロナ感染により出場辞退した事で不戦勝となった。
最も日程的に苦しいゾーンに入ったが、思わぬ形で消耗が少ないままベスト8にコマを進めた。

鳴門戦では背番号10の川原が完投し、被安打6で9三振を奪う好投を見せた。MAX144キロの力強いストレートと右打者の外角に決まるスライダーを効果的に使った注目の捕手松尾の好リードも勝因だったと言える。

一方で自慢の打線は鳴門のサウスポー冨田に苦しめられた。特に右打者のインコースへのストレートとスライダーへの対応に苦労していたように感じられる。8安打中6本が左打者の谷口、丸山、星子の3人で稼いだというデータからも右打者の苦労がうかがえる。
ただ本来は松尾、海老根の右の強打者2人が打線のキーマンであることは間違いない。

また相手に流れが傾きかけたところで、珍しくスクイズで追加点を取りに行った西谷監督の采配はお見事だった。

この試合の見どころ

「連投となる市和歌山エース米田の疲労度」がこの試合に大きく影響するだろう。
日程面からも大阪桐蔭が優位である点は否めない。

市和歌山の半田監督は2019年のセンバツ準々決勝の習志野戦で柏山、昨年のセンバツ2回戦の明豊戦で米田を先発させたように、日程が詰まってくるところで控え投手を先発させて中盤以降にエースを登板させるという継投をよく行う。
それだけに個人的には、控えの淵本が先発するのではないかと見ている。

一方の大阪桐蔭も先発の予測は難しい。
個人的には初戦好投した川原、もしくは背番号1別所のどちらかの右腕が先発し、リリーフに安定感のあるサウスポー前田と予想する。

市和歌山としては何としてもロースコアの接戦に持ち込みたいところだ。その為には失点イニングを最少失点で乗り切る必要がある。

よって大事になってくるのは、市和歌山が無駄な四死球とエラーで走者を出さないようにする事だ。

逆に大阪桐蔭としては3点以上リードした状態で終盤を迎えられる展開が理想的だろう。

大阪桐蔭の打線はやはり松尾、海老根の3番4番に注目したい。長打力があるだけに、市和歌山としては走者を溜めた状態でこの2人と対戦する展開は避けたいところだ。

市和歌山がロースコアに持ち込めるか
大阪桐蔭が好投手を攻略するか

例年ナイターの名勝負が多い準々決勝のラストゲーム。今年も非常に興味深い試合である。

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