明日、卒業式を迎えるあなたへ

月並みな言葉だけど、月日が経つのはあっと言う間だね。

あんなにちっちゃかったあの娘はどこへ行ってしまったんだろう。

こんなに大きくなって、背なんかもそろそろ追いついてきたし、

靴だって同じスニーカー履けるくらいになっちゃって。

2歳くらいまでとにかくあなたは泣く子だったから、お出かけがおっくうで、グランマには「あんまり子供好きじゃなかったのね」なんて言われて凹むこともあったけど、

いつだって大好きなんだよ。

もう今じゃどこに出しても恥ずかしくない立派な娘になってくれたね。

元気で明るくてお調子者で、場の雰囲気をすぐ読んじゃうから無理におちゃらけちゃったり、

嘘もつけないから、何でもママに話しちゃって、今度はママがパパに黙っておかないといけない状況になってアタフタさせられちゃったり。

どこでもあなたが先陣切って素晴らしいパイオニアになってくれるから、その後を続く下2はどこでも可愛がられて安心して歩き始められるし、

ママが腰やって歩けなくなった時も、本を見ながらカレー作ってくれたね。

料理好きはパパそっくりだ。

あんなに美味しいカレーは食べたことなかったよ。

シンガポールに来た時はまだまだベビーだったのに、あれよあれよと弟と妹が出来て、時々幼稚園でランチ中に「ママー」と泣く事もあったね。

ふっと寂しくなったんだよね..

なんで私だけ一人幼稚園なの...って。

なりなくなかったのに長子になっちゃったんだもんね。

嫌でも頼れるリーダーにならなきゃいけなくなっちゃったんだよね。

ごめんね。でもね、あなたへの信頼は半端ないんだよ。

いろんな場面で我慢させちゃうから、溜まっちゃってるんじゃないかな。って心配だったけど、

うるせーんだよ

うぜーなー

あっち行ってよ！

と、ちゃんと悪態つけてるから、まあ、大丈夫かなって安心してます。

中学校の特別なクラスに入る為の受験も残念な結果になってしまって辛い時期を過ごしたけど、

自分に負けないで毎日休まず学校に行けたね。

クラスには受かった子達が沢山いて、毎日顔合わせないといけなくて、あなたが1日どんな思いをして学校生活を送っているか考えるだけで、ママはもう胸をえぐられる思いでした。

そしてそれが原因でハブかれる事もあったよね。

なんてこの世は残酷なんだ、と悔しさと苛立ちさえしたけれど、あなたは行くのが嫌だといいながらも毎日バスに乗って学校へ行ってたね。

あなたは強い。

あなたは本当に強い。

そしてあなたは負けない。

あなたのその姿にママは勇気をもらったよ。

あの時はさっさと卒業式が来てしまえばいいのにと思っていたのに、いざ明日がそうだと思うと泣けてくるのは、あなたのその、どんな状況にも負けない強さのおかげだと思う。

あの辛い時に嫌な目に合わせてきた子も今じゃまた友達に戻ってるから心配してるママに、

「もう今は仲良くやってるから、前の事は前の事だし、もう気にしない。」

て言う言葉を聞いた時は我が子ながら、あなたの器の大きさに感動したよ。

あなたは人生初の挫折を乗り越えた。

これからも何度でも襲ってくるであろう挫折をしなやかに乗り越えた。

あなたならこれからも大丈夫。

なりたい自分にきっとなれる。

つまずいてもいい、ちょっと間違えて戻ってみてもいい、長い休憩を取ってもいい。

あなたがあなたらしく幸せであったら、これほど親孝行な事はないんだよ。

卒業おめでとう。

大好きなあなたへ、ママより。