子供の頃からお金の事を知るのはタブーな事なのか。
以前の記事にもチョロっと書いた事がありますが、日本はどちらかと言うとお金の話しをタブー視する事が多いと思う。これは何でなんだろう。と日頃から思っていた矢先、
知人から紹介されて先日、村上世彰著の『いま君に伝えたいお金の話』を読んでみました。
正直あまりこの方に良い印象を持っていなかったけど、さすがお金のプロの話し、腑に落ちる。
お金に対する考えや思いがサラっと書かれていて『お金って本当は良い物なんだよ』とクリーンで爽やかに思えるような内容で、また、子供も読めるように分かりやすく書かれているので一気に読み終えました。
これは是非子供にも読んで貰いたい一冊だ。というか、とりあえずみんな読んだ方がいい。
ちなみに、うちの13歳も「この本読みやすいね」と読んでいました。
とにかく子供のうちからお金がどんな物なのか知る事はとても大事だという事には激しく共感するし、ましてや、お金って使い方次第では悪にも良にもなるんだよ。って事は子供の頃から知っておくべきだと思います。
みんなお金は必要で、できれば沢山欲しいものだし、沢山貰ったら誰だって嬉しいはずなのに、なぜか「お金が沢山欲しい!」「お金大好き!」と口にする事は、日本では宜しくない兆候があると思うのは私だけではないでしょう。
特に子供とはお金の話しをしないし、子供がお金の話しをするんじゃない!と言われたりする事も多いんじゃないかな、と。
私自身、子供の頃、消費税なるものがスタートした時に、今まで100円で買えていたお菓子が103円ないと買えない。という事もあり、子供なりに駄菓子屋などに行った時には常にいろいろと頭の中で計算していたわけですが、
そんなある日「消費税がつくから、え~と...」と計算していると、お店のおばさんに、「子供がそんな事心配しないでいいの!」と怒られた事があったのを思い出す。
(いや、心配というか、足りないと買えなくね?)
と、今では理不尽とも思える叱りに、まだまだ小学低学年だった私は、そう言われた事になんだか罪悪感を感じた訳でして….
『大人にお金の話しをする事は宜しくないんだな』と思い始めたのはこれがきっかけでした。
大人の何気ない言葉で言われぬ罪悪感を感じてしまい『お金って悪いもんなのかな…』と次に口にするのを躊躇ってしまう。
でも、それって違いますよね。
『お金』ってないと生きていけないし、あったらあっただけ自分がやりたい事も出来るし、助けたい誰かを助けることもできる。それにあれば気持ちにも余裕が出来るから人に優しくも出来るものでしょう?(と、村上氏も言っている)
物には値段があり、それを手に入れるために対価をお金で払う。
何をしなくても生きているだけでお金を使う。
今住んでる家の水も電気もガスもお金を払わないと使えなくなる。
全部当たり前の事だけど、そう知ったのはいつだっただろう?
知らずにタダで無限に出てくると思っていたら、節約するはずもないし、何も考えずポヤンと暮らしてたらお金の有難みなんて分かるはずもない。
余談ですが、シンガポールで雇われているメイドさんの出身地によっては、水は井戸や川から運んで来て使う所から来ている方もいるらしく、流しっ放しにしてしまう事もあるから雇い始めにちゃんと教えないといけない。というレクチャービデオを見たことがあります。
そういう環境で育ったからしょうがない。悪気はないんだし、知らないなら教えればいい事。これってそのまま子供にも言えることだと思うんです。
あれ買ってこれ買ってとねだる子供。そして買ってもらっても、それがどれだけの価値があるの分からないから飽きるのも早い。なんてことないですか。
「せっかく買ってあげたのに!」と親は思えど、その価値を教えないから、子供もそれだけの価値は見い出せない。
そんな状況を改善するためにも、その物を買うためにどのくらいの労働力や時間がかかるのか子供の頃から教えていた方が私は断然いいと思っています。
税金、水道光熱費、インターネット、駐車場代、電話代。これらのものに『お金』をどれだけ使ってるか知ってる子供ってどのくらいいるんでしょうか。月々の生活費の「ある」分から上手に「やりくり」する方法を子供のうちから身につけておく事は自立するときにとても役立つと思うのですが。
うちの長女の話になりますが、今はコロナで出来ないけれど、長女は友達の影響を受けて時々コンドの敷地内でレモネードスタンドをしていました。
回を重ねる事に賢くなっていき、レモン、ハチミツ、ミント、カップ等の原価計算をして一杯の利益率を計算する。原価を安く抑えるために買い出しに行く先もリサーチ。バンドルでライスクリスピーも作り、バンドル売りした方が利益が上がる事も経験したりと、実際にお金の流れを体感して、お金を稼ぐ事を知ったわけです。
賛否両論あるとは思いますが、長女はお金を作るということを実感してからは、無駄使いが減りました。と言うか無駄だと思う物にはお金を使わなくなりました。
こういう生きていく知恵ってとても大切だと思います。
グローバルに見ても日本人の金銭感覚を養う教育って遅れています。村上氏の言う通り、日本人はお金の勉強をしないからせっかく運用出来るお金があっても、その仕方を知らない為に貯め込む、そして、貯め込むから経済も回らなくなる。
そろそろ詰め込むだけのテスト勉強だけでなく、早期教育で『生きて行く上で必要な教育』を子供の頃からやるべきだ。と思っていたら、来年からやっと高校の公民で「家計管理や投資」についての授業が始まることが決まったそうです。私としては中学校、いや、小学校高学年から始めてもいいくらいだと思いますが、まずは一歩前進したということで。
子供の頃から『お金』に対して明るくクリーンなイメージを持ち、仲良く付き合う方法を学習すればストレートに知識として身に付くはずだし、同じお金の話をしても受け手の子供達への伝わり方は雲泥の差になるのは目に見えている。
そんな『お金』の教育を受けた子供達が今後日本の経済を上手く回してくれることを期待しています。
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